セッション情報 一般演題(口演)

分子生物学II

タイトル

O-006 stage IV胃癌における治療前CRP値の意義

演者
共同演者
抄録 【目的】StagelV胃癌の治療は化学療法が中心となると考えられる.しかし.原発巣増大による通過障害あるいは出血による貧血は化学療法の維持を困難とするため胃切除を必要とする場合がある一方t手術により全身状態が低下し化学療法が困難となり病状がかえって進行することがある。StagelV胃癌において治療前に予後を予測できる因子があれば切除後化学療法に移行できるか、あるいは化学療法を先行させるべきかの判断に有用である.StageIV胃癌の予後予測因子について検討しその因子と腫瘍組織分子生物学的特徴について検討する.【方法】当科にて治療したStageIV胃癌104例を対象とした.年齢PS. CRP値圏割転移部位個数転移部位切除の有無切除法等について予後に与える影響について検討した.またt原発巣組織中のVEGF、 HIF1αmRNAをRT-PCR法にて測定した.【成績1男性70例女性34例で平均年齢は64歳であった.またt平均転移部位数は1.3であった全症例の中央生存期問は13.4ヶ月であった。原発巣切除例の中央生存期聞は15.5カ月非切除例.は72カ月と切除例が有意に予後良好であった.CRP>O5mg/dlの症例は中央生存期間7.2カ月CRP<0.5mg/d1の症例では17.7カ月でCRP>O.5mg/dlの症例有意に予後不良でありさらに切除例に限ってもCRP>0.5mg/dlの症例で有意に予後不良であった.遠隔転移部位、遠隔転移個数に予後の差は認められなかった.またCRP高値症例では腫瘍内VEGFおよびHIF1αmRNAはCRP即値症例と比較して有意に高値を示した.【結論】血清CRP値はStageIV胃癌において予後を予測する簡便な因子であり有用であると考えられる.またCRP高値症例では腫瘍内増殖因子が高発現が予後に影響を与えていることが示唆された.
索引用語