セッション情報 一般演題(口演)

分子生物学II

タイトル

O-009 mafK遺伝子*910T>Cの胃炎への関与

演者
共同演者
抄録 小Maf群因子は酸化ストレス応答をはじめとする様々な生命現象を制御している.今回は小Maf群因子のうちmafK遺伝子に注目し3LUTRに存在するrs3735656(*910T>C)の胃粘膜炎症への関与につき検討した.【方法1 stockされたDNAのうち胃腫蕩性病変を有さない402例を対象とした.358例で組織学的胃炎を118例で血清ペプシノーゲン(PG)値を135例でreal-time PCR法でテロメア長を評価した.【結果】遺伝子型の分布はTT175例TC191例CC36例(HWE p=0.11)で萎縮スコアと化生スコアはTanele本数とゆるやかな負の関係を認めHP感染者に限ればt萎縮スコアはTaneleの減少につれ有意に増加した(p=0.028by ANOVA)萎縮スコア2以上または化生スコア1以上の165例を萎縮群とすると萎縮群はのgeno-typeはTT60例TC90例CCI5例mi-nor allele頻度は364%で非萎縮群に比しC保有者は有意に多く(p = O.017 byFisher)Canele頻度も有意に高値であった(p=O.039).logistic多変量解析では*910C保有者は胃粘膜萎縮に関し有意な危険因子であった(OR:177595%CI:1.03-3.00p冨0.040). HP感染者に限ってみても同様であった. PGI/H比はC保有者では年齢とともに低下した(p=0.0033by ANOVA)のに対しTTホモ接合体ではその傾向.は認めなかった(p=O.31)さらにrelative T/S値で評価したテ回目ア長はTTホモ接合体ではHP感染によってもテロメア長は保たれていたがC保有者ではHP感染によりテ上覧ア長の有意な短縮が観察された【結論】mafK遺伝子の*910T>C遺伝子多型は胃粘膜萎縮に関与していると考えられた.すなわち*910mutant carrierではHP感染と密接に関連しながら胃粘膜萎縮が進行し結果としてテロメア長の短縮をきたしていると考えられた.
索引用語