セッション情報 一般演題(口演)

臨床病理学

タイトル

O-012 低分化型早期胃癌の臨床病理学的検討

演者 浅川幸子(山梨大学第1内科)
共同演者 大高雅彦(山梨大学第1内科), 小馬瀬一樹(山梨大学第1内科), 佐藤公(山梨大学第1内科), 榎本信幸(山梨大学第1内科)
抄録 【背景】GotodaらHirasawaらは2cm以下潰瘍(一)脈管侵襲(一)の条件を満たす低分化型粘膜癌はリンパ節転移のリスクはなく内視鏡的粘膜切除術の適応拡大の可能性を指摘した(以下低分化基準)しかしこの条件を満たす病変であってもリンパ節転移をきたした症例の報告が散見される.【目的】自施設の低分化型早期胃癌を臨床病理学的.に検討しリンパ節転移に関与する因子を検討した対象と方法:1999年前ら2011年4月まで当院で根治手術を施行した低分化型早期胃癌79例を対象とし摘出標本による病理組織学的所見を検討した.有意差検定は冗二乗検定を用いてp値005未満を有意差ありとした.多重ロジスティック回帰分析を加えた【結果】男性51例女性28例.平均年齢61.1歳(35-82歳)病変の大きさは2-110mm(平均31.4mm)肉眼型は0-1型4例0-1+Hc1例t O-Ha3例〔}一Ha+Hc3例t O-1【c62例0-Hc+Ha4例0¶c+IH2例.部位はU17例M35例L例25例T残胃2例.深達度はpM 41例pSMI 7例t pSM230例pSM31例で主組織型por121例por217例sig 41例分化型成分の混在あり23例潰瘍合併49例.脈管侵襲はIyl l7例(22%)v110例(11%)であった.リンパ節転移は5例(63%)にみられた.低分化基準は14例ありいずれもリンパ節転移例はなかった低分化型早期胃癌のリンパ節転移の危険因子は高齢者(p=O.042)M領域(p = O.OO1)por1(p=0.005)分化型混在(p=0.002)SM浸潤癌(p=O.022)UL(+)(p=0.005)lyl(p=0.001)であったSM浸潤の因子は高齢者(p=0.049)U領域(p=O.028)por(p=0.025)分化型混在(p=0.050).脈管侵襲の因子はpor(p=0.0044)0-Hc(p=0.0020)SM浸潤癌(p冨0.0001)大弩病変(p=0.0036)であったいずれも多変量:解析では有意なものはなかった.【結語】低分化型早期胃癌は組織型によりsigpor分化型混在型の3型に大別され生物学的特性に違いが示唆された.低分化基準の中で分化風月混在のsig病変は内視鏡的粘膜切除術で根治できる可能性が推測され発表では山梨県数施設の症例を加え報告する.
索引用語