セッション情報 一般演題(口演)

臨床病理学

タイトル

O-013 早期胃癌と腸上皮化生:患者・臨床病理学的背景および癌関連蛋白発現との関係

演者 八島一夫(鳥取大学機能病態内科学)
共同演者 武田洋平(鳥取大学機能病態内科学), 佐々木修治(鳥取大学機能病態内科学), 林暁洋(鳥取大学機能病態内科学), 松本和也(鳥取大学機能病態内科学), 河口剛一郎(鳥取大学機能病態内科学), 原田賢一(鳥取大学機能病態内科学), 村脇義和(鳥取大学機能病態内科学)
抄録 【目的】H. pylori感染による慢性萎縮性胃炎の持続胆汁酸刺激などが腸上皮化生を引き起こし胃癌の発生母地となるとされているが不明な点も多い.病変による背景粘膜への影響が少ない早期胃癌特に内視鏡切除された症例で腸上皮化生と患者・臨床病理学的背景および癌関連蛋白発現との関係を検討することは腸上皮化生のさらなる臨床的意義を明らかにできる可能性がある.【方法】2007年1月から2009年12月までに当科にて内視鏡切除された早期胃癌1〔M例(男77:女27平均年齢70.3歳tUb88:pap14:por/sig2m93:sm11)の内視鏡・病理所見(病変:部位肉眼型組織型)患者背景(年齢性別飲酒・喫煙歴既往歴癌家族歴)を確認し免疫組織化学染色に.て病変鶴のAIDp53Mlhl発現を解析した.これら情報と切除標本の非腫瘍部における腸上皮化生萎縮慢性炎症程度をupdate Sydney分類で評価(軽度中等度高度)し比較した.【成績1免疫組織化学染色にてAID発現p53過剰発現Mlhl発現減弱・消失を認めたものはそれぞれ36例(346%)35例(33.7%・)19例(183%)であった.腸上皮化生は全例に認められ(軽疫29中等度57高度18)患者背景において男性(p=e.O19)喫煙歴あり(p=O:007)でより高度であった病変との関係においてはし領域で軽度(p=O.007)でまた背景粘膜における慢性炎症程度と関係を認めた(p 一 O.OS8).腸上皮化生程度と癌部癌関連蛋白発現との関係は認めなかったが腸上皮化生においてAID発現が上昇していた.その他An)発現と慢性炎症高度(p=O.061)Mlh1異常と慢性炎症軽度(p=0.043)との関係を認めた.【結論】男性喫煙者U・M領域の早期胃癌は腸上皮化生が高度でありこれら特徴が腸上皮化生(前癌または傍癌状態)における発癌リスクとなる可能性が示唆されたA皿)慢性炎症との関係も示唆され炎症発癌における役割も今後の検討課題である
索引用語