セッション情報 一般演題(口演)

IBD・生物学的製剤

タイトル

O-018 炎症性腸疾患患者における抗インフリキシマブ中和抗体とインフリキシマブ血清トラフ値の関係および治療効果に対する討論

演者
共同演者
抄録 【目的】インフリキシマブなどの抗TNF一α抗体製剤は炎症性腸疾患を劇的に改善することに成功したが一方で長期投与患者においては2次無効となる症例が一定の割合で存在することが明らかとなっている近年2次無効の最も大きな原因の一つとして抗インフリキシマブ抗体が注目されるようになった.インフリキシマプはキメラ抗体でありマウスFab2’の部分に対する抗体が作成されるとされている.インフリキシマブ投与症例における抗インフリキシマプ抗体を測定し2次無効との関係について検討するとともに他の抗TNF-Ct製剤へ変更を行うための指標となりうるかどうか検討する.【方法】インフリキシマブの投与を行った炎症性腸疾患68症例における抗インフリキシマプ抗体の出現率をDirect ELISA変法にて測定抗インフリキシマブ抗体濃度とCRPCDAI赤沈との相関について検討した.インフリキシマブ2次無効となった症例の抗インフリキシマブ抗体濃度とインフリキシマブ増量またはアダリムマブへの変更における治療効果の検討を行った.【結果】抗インフリキシマブ抗体濃度とCRPCDAI赤沈とは有意な相関関係にあったインフリキシマブ2次無効となった症例のうち抗インフリキシマブ抗体陽性である症例はアダリムマブへの変更により改善を得たが抗インフリキシマプ抗体陰性の症例においては治療効果の改善がみられなかった.【結論】抗インフリキシマプ抗体の出現はインフリキシマブの治療効果減弱の原因の一つであり抗インフリキシマブ抗体測定法は治療薬変更に有用であると考えられた.
索引用語