セッション情報 一般演題(口演)

IBD・その他

タイトル

O-022 内視鏡的に経時的粘膜治癒評価を行った生物学的製剤時代のクローン病症例の検討

演者
共同演者
抄録 【目的】近年クローン病では生物学的製剤の登場により腸管病変の完全な粘膜治癒も実現されるようになってきている.しかしながら投与開始や継続期間二次無効への対処粘膜治癒の定義など未解決の問題も少なくない.そこで、当施設で治療中のクローン病患者を集積し生物学的製剤の使用状況とその治療効果を検討した.【方法】当施設で2011年10月現在までに治療されたクローン病患者68例1)生物学的製剤の使用頻度と効果二次無効の割合2)内視鏡検査にて経時的経過が検討可能な31例に対し内視鏡的評価としてRutgeersスコアを小腸大腸に適応して評価した.【結果】1)39名(57.4%)に対し生物学的製剤を使用12例に効果減弱を認めた.2)In㎜mab(IFX)使用例25例(IFX群)IFX非使用例6例(非IFX群)治療前のスコアIFX群非IFX群ともに全例で2以上であった.非IFX群では治療後に全例でスコアが1以下となったIFX群ではスコアが低下する有効例が23例(92%)でIFX投与申に腸管切除を必要とした症例は5例(20%)で術後IFXを継続し3例が1以下となった.手術後にIFXを開始した症例は9例(36%)(術後早期~9年後に開始)であり術後再発予防が3例吻合部潰瘍・狭窄が6例であった.内視劇的に拡張術が必要であった症例は6例.(24%)存在し、術後症例の吻合部で潰瘍を有しない残痕狭窄が多数を占めた.IFX群で手術を施行していない11例のうちスコアが1以下となった症例が6例であった.【結論】生物学的製剤の登場により臨床的寛解がなされてきているが一定の割合で効果減弱例が存在すること内視鏡的評価と乖離する症例も存在することが分かった.これらを踏まえたうえで多数例の集積を行い粘膜治癒の定義臨床的寛解の意義を再考する必要があると考えられる.
索引用語