セッション情報 一般演題(口演)

IBD・その他

タイトル

O-023 Crohn病の長期経過における累積初回手術率~病型罹病期間別の検討~

演者 佐藤祐邦(福岡大学筑紫病院消化器内科)
共同演者 矢野豊(福岡大学筑紫病院消化器内科), 平井郁仁(福岡大学筑紫病院消化器内科), 松井敏幸(福岡大学筑紫病院消化器内科)
抄録 【緒言】Crohn病(以下CD)とは原因不明の潰瘍や線維化を伴う肉芽腫性炎症性変化が消化管のどの部位にも起こり得る疾患である.時間経過とともに狭窄や痩孔などの多くの合併症を生じ手術を選択することも多い.【目的】CDの長期経過における累積初回手術率を明らか.にする.【対象と方法】福岡大学筑紫病院消化器内科では自施設で診療したCDでデータベースを作成し活用している(CCDD:Chikushi CD Database).今回の対象は2010年5月31日時点での719例のうち観察期間が3か月未満の3例既手術例の167例を除外した549例とした.これらを用いて診断までの期間や病型(小腸型大腸型小腸大腸型アフタ型)別に診断日からの累積初回手術率を検討した.【結果】性差は男:女が387:162で診断時年齢は25.1±10.1歳罹患期間は10.2±7.8年診断から初回手術までの平均観察期間は6.6±6.0年であった.診断時の染型は小腸型が199例(36.2%).で大腸型が84例(15.3%)小腸大腸型が237例(43.2%)アフタ型が29例(5.3%)であった.全体の累積初回手術率は診断後51015年で30.252.768.2%となった.診断までの期間で検討した結果発症から3年以内にCDと診断された440牽く80.1%)をそれ以外の109例(199%)と比較すると前者の手術率が有意に低回であった(p〈001).また病型別の検:討では小腸型が診断後51015年で37300.O73.4%でありtそれ以外と比較するとp<O.Olと有意に高値であった.大腸型は他の病型より有意に低値であり(p<0.01)累積初回手術率はそれ以外と比較すると低声であった.【結論】対象549例全体ではT診断後10年で約半数が手術となる結果であった.CDの累積手術率は経年的に上昇する.早期手術率への影響因子は詩型(小腸型)と診断確定までの期間であった.
索引用語