セッション情報 一般演題(口演)

IBD・その他

タイトル

O-024 NSAIDs・アスピリン小腸粘膜傷害の治療に対するレバミピドの多施設共同プラセポ対照無作為比較試験

演者
共同演者
抄録 【目的】近年アスピリン誘発小腸傷害の存在が明らかになってきたが適切な治療戦略については検討がなされていない.また臨床的に患者を対象にした小腸傷害治癒効果についての検討は未だない.今回の試験の目的は小腸傷害を有する長期NSAIDsまたは低用量アスピリン服薬患者を対象にレバミピドまたはプラセポを服薬しその傷害の治癒効果について検討することと、栄養改善効果についても検討した.【方法】本試験はプラセポコントロール多施設共同の二重盲検試験である.各施設の倫理委員会の承認を得た.更に試験参加にあたり被験者への充分な説明および文書同意を取得した.NSAIDs and/or低用量アスピリンを4週間以上服薬しており小腸に潰瘍びらん発赤点状出血または絨毛欠損を認める被験者を対象とした小腸出血が認められた被験者は除外した被験者はt無作為にレバミピド群またはプラセポ群に無作為に割り付けられ、4週間の服薬後カプセル内視鏡による小腸病変の観察が行われた.更に試験開始前後の総蛋白についても検討した【結果】61例が重篤な副作用もなく試験を終了した.小腸びらんはレバミピド群で有意に改善し(両群間におけるびらん減少数のabsolute dfference:一4.695%CI:一6.5~一2.7p〈O.0001)小腸潰瘍においてもレバミピドは有意な改善を示した(absolute dif£erence:一〇.695%CI:一14~一〇.1p=0.0245).レバミピドは総蛋白の改善効果についてもプラセポに比しt優れていた(総蛋白増加レベルのabsolute difference:0.3495%CI:0.15~052p=O.0005).【結語1レバミピドは小腸潰瘍およびびらんの改善効果を示したのみならず栄養改善効果についてもプラセポに比し優れていた.今回の試験結果はレバミピドが長期NSAH)sおよび低用量アスピリン服薬患者の小腸粘膜傷害に対する治療薬の可能性が示唆された
索引用語