抄録 |
【目的lmicroRNA(miRNA)は約20~22塩基からなる短いnon-coding RNAで転写後制御あるは翻訳制御によりmRNAの発現を調節する.大腸がんを含め多くの消化器がんでは各種のmiRNAの発現充進・抑制があり発癌・促進に関与している.また我々は糞便中のCOX-2 rnRNA発現を指標にした大腸がん診断法を開発しその有用性を報告してきた.今回大腸がん患者における糞便中miR-21miR-92a、 miR-106aの発現を解析しその大腸がん診断能について検討を加えたので報告する.【方法】内視鏡的・病理的に診断された大腸進行腫瘍164例(進行腺腫26例がん138例病期は0期:1期:II期:皿期:IV期=15:31=46:32:14)とコントロール126例を対象とした.糞便O.5gからRNAを抽出しTaqMan MicroRNA assayを用いて各miRNAのqRT-PCRを行った.【結果】各合成miRNAを用いて検量:線を作成しコピー数を算定した.糞便中miR-21発現の中央値はコントロール/がんew 5.7 x 10ソ1.5×105とがん群で有意に高かった(P<00001).糞便中miR-92a106aの発現中央値はコントロール群/がん群各々2.8x1〔P/5.3 x lO32.6x102/8.6 × 10rで.ともにがん群で有意に高かった(P<0.05).糞便巾各miRNA発現をカットオフ値を対照群全体の約97.5 percenMeに設定するとtmiR-21の大腸がん診断における特異度は97.6%感度は39.0%miR-92aは特異度98.4%感度44.9%miR-106aは特異度99.2%感度37.796であり3マーカーの.いずれかが陽性である場合の特異度は955%感度は543%であった.【結論1糞便中のmiR-21miR-92amiR-106a発現は大腸腫瘍患者で発現が充縛していた.大腸がん診断法として高特異度を保持するも十分な感度が得られないため他マーカーを含めた更なる検討が必要である |