セッション情報 一般演題(口演)

癌・化学療法

タイトル

O-029 末梢血循環大腸癌細胞からみた切除不能再発大腸癌に対する化学療法の限界について

演者
共同演者
抄録 【緒言】切除不能再発大腸癌に対する治療として化学療法や免疫療法がひろく行われているが十分な治療効果が得られない症例をしばしば経験する.それらの症例に対しては化学療法を継続するよりもbest supportivecareの方が望まれる.我々は化学療法の効果を末梢血循環大腸癌細胞(Circulating Tumor Cell=CTC)により検討したので報告する.【対象および方法】2009年1月から2010年12月までに経験したK-ras wild type切除不能再発大腸癌症例12例(男性10例.女性2例)を対象として原発巣は切除し化学療法前後でCTCを測定した.化学療法のregimenはSOX(TS-1+oxaliplatin)+panitumumabを4クール(3カ月)行った.CTC検出にはCeilSearch Systemを用いた【成績】化学療法はfirst lineが7例でthird lineが5例であった.化学療法前のCTC陽性例は8例(67%)であった.そのうち化学療法後CTC陰性になった4例は血清CEA値の低下もみられ現在(1年以上)も化学療法を継続している.一方t化学療法後もCTC陽性であった4例は化学療法開始後8カ月以内に癌死した.とくに化学療法後CTCが上昇した3例は化学療法開始後6カ月以内に癌死した.【考察】化学療法の効果を十分に得るには化学療法後CTCが陰性になることが重要でそれを可能とする化学療法のregimenの選択が望まれる.化学療法後CTC陽性例のover all surviva1(OS)はきわめて不良でありそのような症例は化学療法の継続よりもbest suppor-tive careを選択することが適切と考える.【結語】化学療法後のOSはCTCによって予測可能で化学療法後CTC陽性例は化学療法のregimenの変更またはbest supportive careの運択が必要であると示唆された.
索引用語