抄録 |
【背景と目的】消化器がん治療においてがん薬物療法は重要な役割を果たしている.その中で毒性が軽く有効な新規薬剤の開発や支持療法の発達患者意識の変化外来化学療法加算の導入などにより現在では一部の治療を除いて外来通院で行う.また炎症性腸疾患での生物学的製剤のインフリキシマブも外来化学療法加算を算定できがん同様に外来治療が中心となっている.外来化学療法を安金に行うためには.施設・設備面医師・看護師・薬剤師などのスタッフ面運用面などを充足すべきとされる.当院では2003年8月に外来化学療法室を設置し外来におけるがん薬物療法を集約した.今回我々は外来化学療法室で行われた消化器疾患患者の外来治療における有害事象の発現に関する検討を行った.【対象】2003年8月より2010年12月の間に外来化学療法室で外来治療を行った消化器疾患患者の有害事象について検討を行った.【結果】対象期間に外来化学療法室を利用した患者は1102例で膠原病に対する免疫調整剤使用患者および他がん腫を除くと消化器疾患患者は616例であった.また対象期間に外来化学療法室で発生した有害事象は68件でうち消化器疾患患者に発生した有害事象は34件であった.患者背景の内訳は結腸直腸がん29例肝細胞がん2件膵がん2件クローン病1例であった.有害事象の内訳はアレルギー・アナフィラキシー反応11件ポート・インヒューザーポンプトラブル9件高血圧3件血管外漏出2件などであった.【結論】当院の外来化学療法室での消化器疾患患者の外来治療の有害事象の発現状況が明らかとなった. |