セッション情報 一般演題(口演)

基礎(炎症)

タイトル

O-032 炎症性腸疾患モデルマウスを用いた粘膜障害と修復再生過程の二光子レーザー顕微鏡下観察

演者 田中光司(三重大学消化管・小児外科学)
共同演者 森本雄貴(三重大学消化管・小児外科学), 松下航平(三重大学消化管・小児外科学), 沖上正人(三重大学消化管・小児外科学), 川村幹雄(三重大学消化管・小児外科学), 奥川喜永(三重大学消化管・小児外科学), 間山裕二(三重大学消化管・小児外科学), 小池勇樹(三重大学消化管・小児外科学), 三枝晋(三重大学消化管・小児外科学), 橋本清(三重大学消化管・小児外科学), 井上靖浩(三重大学消化管・小児外科学), 荒木俊光(三重大学消化管・小児外科学), 内田恵一(三重大学消化管・小児外科学), 毛利靖彦(三重大学消化管・小児外科学), 楠正人(三重大学消化管・小児外科学)
抄録 【背景】二光子レーザー顕微鏡(tWo photon laser scanning microscopy:TPLSM)を用いた生体内リアルタイムイメージングは様々な疾患の病理組織学的解析を生きたままできる利点がある.我々はGreen Fluorescent Protein(GFP>マウスのデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発大腸炎モデルにおいて消化管全層断層像を高倍率で生体内リアルタイムに観察できる系を確立した.また消化管切開を必要としないこの方法は外科的侵襲が少ないため同一マウスにおける大腸を繰り返し観察できる.そのため炎症性腸疾患モデルマウスにおける粘膜障害後の修復再生過程や薬物効果を同一マウスで評価できる.【目的1マウスDSS大腸炎:における粘膜障害と修復再生過程を同一一一個体で二光子レーザー顕微鏡下に観察評価する.【方法】Green Fluorescent Protein(GFP)マウスに2%DSSを5日間飲水させDSS誘発大腸炎を作成. DSS投与開始後7日目に開腹盲腸を脱転固定しTPLSMにて観察.閉眼後Infliximab(IFX)5 mg∠kgを腹腔内投与.IFX投与後7日目と14日目にTPLSMにて盲腸全層観察し治療効果を形態学的に評価した.【結果】DSS大腸炎では漿膜下層の著明な炎症細胞浸潤筋層厚の増加を認めた.微小血管内の白血球のrollingadhesionや陰窩上皮細胞の萎縮変形・t捻じれ炎症細胞浸潤陰窩上部における細胞欠損陰窩間隙の増加を認めた.IFX群では漿膜下層の炎症細胞浸潤の消槌が早く(32versus eA/単位面積当たり)欠損した陰窩上皮細胞の再生も早かった(147.1versus 969/陰窩長pm).【結語】炎症性腸疾患モデルマウスを用いた粘膜障害と修復再生過程の二光子レーザー顕微鏡下生体内観察法により粘膜障害と修復再生過程からみた治療薬の詳細な評価が可能となる.
索引用語