セッション情報 一般演題(口演)

基礎(炎症)

タイトル

O-035 マウス炎症性腸疾患モデルを用いたGRAIL発現効果に関する検討

演者 向井章(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学講座)
共同演者 飯島英樹(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学講座), 竹原徹郎(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学講座)
抄録 【背景1腸管免疫系の恒常性の維持には免疫寛容が重要な役割を果たしている.GRAIL(Gene Related to Anergy ln Lymphocyte)はCD4陽性T細胞の不応答化に必須の因子として同定されたユビキチンE3リガーゼであり種々の自己免疫性疾患との関与が報告されているが炎症性肝疾患.との関与は未だ明らかでない.【目的】慢性腸炎モデルマウスを用いてクローン病におけるGRAILの果たす役割を明らかにする.【方法】慢性腸炎モデルマウスとして血一10ノックアウトマウスDSS腸炎マウスを用いた.各2次リンパ組織におけるGR肌の発現についてQRT-PCRウエスタンブ.ロッティング免疫組織染色により評価を行った.【結果】腸炎モデルマウスでは野生型マウスと比較して末梢血CD4+T細胞において蛋白質レベルでGRAILの発現低下を認めCD4+T細胞の活性化した状態であると考えられた.一方粘膜固有層リンパ球ではGRAILの蛋白発現の元進を認めた.GRAIL陽性T細胞は特に炎症部位に集積していた.また各2次リンパ組織におけるGRAILの発現を比較すると脾臓単核球に比べて粘膜固有層リンパ球ではmRNAの発現が高値であったがs蛋白質レベルで発現低下を認めmRNAと蛋白発現.に乖離が存在することが明らかとなった.RNAiの関与による蛋白発現の抑制が疑われためmi-croRNA arrayによる解析を行った.その結果GRAILの登現抑制因子としてmiR-290-5pを同定し発現抑制効果に関してはDO11.10 T細胞株に対するtransfectionにて確認を行った.【結論】GRAILの発現は腸管局所でmiRNAによる制御を受けていることが示唆された. GRAILは抑制性T細胞への分化を誘導することが知られており炎症部位ではGRAIL陽性T細胞が抗炎症的に作用することが推測された
索引用語