セッション情報 一般演題(口演)

基礎(癌 消化管運動)

タイトル

O-038 大腸がん細胞に対する短波長紫外線(UV-C)と低用量cisplatinの併用効果

演者
共同演者
抄録 【目的1現在プラチナ製剤は進行大腸がんの標準治療費であるが耐性化が臨床上問題となっている.我々は今までに短波長紫外線(UV℃)のがん治療への応用の可能性について報告してきた(Yamauchi T etal2011 Radiat Res2011 lnt J OncolAdachi S et al2011 J BiolChem).今回cisplatinとUV-Cの併用による相乗効果について検討した.【方法】大腸がん細胞株(sw480DLD-1HT29HcTI16)にcis-platin(10μM)UV-C(10 J)およびcisplatin + UV-C併用処理を行いEGFR蛋白レベルの変化細胞増殖能に対する影響apoptosis誘導効果さらに相乗効果の分子メカニズムを蛍光免疫染色法にて検討した.【結果】10μMのcisp且atinおよび10 JのUV-C $割腔では大腸がん細胞にほとんど変化はみられないものの併用群において著明な細胞増殖能の抑制EGFR蛋白レベルの低下phospho-Rbの低下(細胞周期の停止)PARPの分解(apoptosisの誘導)がみられた.またUV-C単独処理でEGFRの内在化が起こるものの時間経過とともに細胞表面にリサイクルされた.しかしUV-CにciSplatinを併用するとUV-Cにより内在化したEGFRのリサイクルが阻害され、ユビキチン化によるEGFRの分解を認めた.【結論】大腸がん細胞に短波長紫外線(UV-C)を併用することによりcisplatinに対する感受性を増強させることができた.今回の知見は進行大腸がんの治療成績のさらなる向上に寄与しうるものと考えている.
索引用語