セッション情報 一般演題(口演)

腸炎

タイトル

O-042 高度救命救急センター重症病棟におけるMRSA/Clostridium Difficile関連性腸炎の発生状況について

演者 佐藤武揚(東北大学病院高度救命救急センター)
共同演者 久志本成樹(東北大学病院高度救命救急センター), 赤石敏(東北大学病院高度救命救急センター)
抄録 抗生物質起因性腸炎としてClostridium difficile関連性腸炎とmethicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)腸炎があるこれらは重篤な基礎疾患で長期入院中の高齢者に院内感染で発症し時に集団発生を来し予後不良であるが頻度の高い院内感染症でもある.目的:当施設における抗生物質起因性腸炎の発生状況とそのリスクを明らかにすることを目的とした.方法:2009-2011の聞に当施設に入院し抗生物質起因性腸炎の診断でフラジールまたはバンコマイシン散の内服治療を受けた34症例を対象に原疾患発生状況。予後を後方視的に検討した.結果;microbia1-re・lated diarrehea/enteritisは14地区認め9例がMRSA腸炎を来し3例がMRSA敗血症を来していた. CDトキシン陽性例は2例にみられた. Mi-crobial-unrelated diarrhea/enterltisを20例に認めた.治療はバンコマイシン散単独投与が17例フラジールと併用が14例フラジール単独投与が3例に行われた.原疾患は多発外傷重症敗血症が8例で最も多くついで消化器疾患(7例)熱傷(3例)呼吸器疾患(3例)にみられた.発生時期は入院後平均32.6日で発症時の血清アルブミン値は2.2g/dlであった.施設における抗生物質使用数と抗生物質起因性腸炎の発生数を比較したところカルバペネム系ペニシリン系薬剤の使用料と発生数に正の相関が見られた.考察:重症病棟では抗生物質の使用が頻回であり下痢を来す頻度が高く多くが低栄養状態であり.抗生物質関連性腸炎の頻度が稀ではない.特に治療が長期化しやすい多発外傷や重症敗血症では抗生物質起因性腸炎が問題となるため定期的な監視培養と感染対策室による組織的な感染管理栄養療法の推進下痢の適切な管理便失禁ケアシステム院内感染予防対策などを徹底し予防を図る必要がある.
索引用語