セッション情報 一般演題(口演)

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タイトル

O-050 直接的レニン阻害薬による肝線維化阻止の試み:作用機序の検討

演者 相原洋祐(奈良県立医科大学第3内科)
共同演者 吉治仁志(奈良県立医科大学第3内科), 池中康英(奈良県立医科大学第3内科), 野口隆一(奈良県立医科大学第3内科), 鍛治孝祐(奈良県立医科大学第3内科), 堂原彰敏(奈良県立医科大学第3内科), 福井博(奈良県立医科大学第3内科)
抄録 【目的1我々はレニン・アンジオテンシン系のrate Hmiting eazy皿eであるレニンが活性化肝星細胞(Ac-HSC)を増殖させるとともにpro-collagemlTGF一β発現を増加させることさらに直接酌レニン阻害薬(DRr)が有意な肝線維化抑制効果を示すことを報告してきた.今回はDRIの肝線維化抑制効果について肝臓内RAS動態に及ぼす影響を含めて作用機序の解析を行った【方法1F344雄牲ラットにコリン欠乏アミノ酸(CDAA)食を投与して実験的肝線維症を作製した. DRIとしてAliskirenを50mg/kg/day100mg/kg/dayの用量で経口投与して肝線維化に対する効果につき検討した.α一SMAを指標としたAc-HSCの免疫組織染色および肝内TGF一βpro-co皿age-1発現について検討すると共に肝内アンジオテンシンfi(AT¶)mRNAレニン受容体mRNA発現レベルについてもreal-time PCRで解析したIn vitroの検討では、レニンのAc-HSC増殖pro-collagen-1およびTGF一β発現に及ぼす影響について検討すると共にDRIの直接作用について検討した【成績]・CDAA食投与により肝線維化の進展とともにAc-HSCの増加肝内AT-IlmRNAレニン受容体mRNAレベルの増強をみた. DRI投与により肝線維化は用量依存性に有意に抑制され100mガkげday投与群の線維化進展はDRI非投与群の約1/4にとどまった.免疫染色によるAc-HSCの増加はDRI投与群で線維化とともに抑制されていた.肝組織内のAT-H発現増強はDR1投与により有意に抑制されたがレニン受容体発理レベルには変化を認めなかった.一方in vitroの検討においてレニンはAc-Hscの増殖pro-collagen-1TGF一β発現を有意に増加させたがDRIはこれらを抑制しなかった【結語1DRIは実験的肝線維化モデルにおいて臨床濃度に匹敵する低用量でAc-HSCの増加とAT-ll発現の増強を抑制し顕著な肝線維化阻止効果を示した.その作用機序としてはレニン受容体を介さずに肝内AT-H発現と星細胞の活性化を直接抑制しpro-co皿agen-1TGF一β発現を低下させること力考えられた.
索引用語