セッション情報 一般演題(口演)

基礎

タイトル

O-052 炎症性肝細胞発癌と進展におけるM-CSFの役割について

演者 河野寛(山梨大学第1外科)
共同演者 原倫(山梨大学第1外科), 藤井秀樹(山梨大学第1外科)
抄録 【目的】M-CSFは新生血管を誘導しその抑制は腫瘍増殖を抑制する.一方マクロファージ(Mφ)にはMl型とM2月目亜種が存在する. M2Mφへの分化はIL-4あるいはmacrophage colony stimulati皿g factor(M-CSF)により誘導されM-CSF誘導MΦは脳腫瘍.卵巣癌膵癌などの悪性度や進行度に閲与するそこで肝発癌と進展におけるM一(冷Fの役割についてM-CSF欠損マウスを用いて検討’した.【方法11検討1:M-CSF欠損マウス(op/op)とLlttermateマウス(LT)を用い生後14日目にジエチルニトロサミン(DEN)を腹腔内投与し炎症性肝発癌モデルを作製.投与後28週目に犠牲死させ発癌率腫瘍数最大腫瘍径について検討した.肝臓における活性化Mφ分有をF4/80免疫組織染色法でまた肝MφのMl/M2比について抗CD68CD204抗体を画いてFACS法にて解析した.肝臓でのCD163 mRNA発現をRT-PCR法で検討した.腫瘍内の新生血管の発現を免疫紐織染色で検討した.検討H=DEN投与急性期における肝臓への影響を検討する目的で炎症性サイトカイン発現肝細胞増殖肝細胞アボトーシスt肝細胞分裂について検討した.【結果1検討1:LTと比較しop/opでは発癌率腫瘍数最大腫瘍径のいずれにおいても有意に低下した.肝内活性化Mφの分布はLTでは正常肝組織・腫瘍内部ともに認められるのに対してop/opでは腫瘍内部とその辺縁部においてのみ認めたDEN投与後の発癌マウスでは.op/opにおいてCD204+/CD68+比と. CD163 mRNA発現がLTと比較して有意に低下腫瘍内の新生血管はLTにおいて有意に増加した.検R9一 rl:DEN投与後の急性期においてop/opでは炎症性サイトカイン発現は低下したがアポトーシスは両群で差を認めなかった.また肝細胞分裂には両群で差を認めなかった.備謝M℃SFは炎症性肝発癌モデルにおいてDEN投与急性期の炎症反応の増強と慢性期におけるM2Mφの腫瘍周囲での増加腫瘍内血管新生充進させ癌の増殖と進展に強く関与していた.M-CSFを分子標的とした肝細胞癌発癌抑制効果が期待できる
索引用語