セッション情報 | 一般演題(口演)基礎 |
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タイトル | O-054 Dipeptidyl Peptidase IV(DPPIV)阻害薬の肝線維化抑制効果 |
演者 | 鍛治孝祐(奈良県立医科大学第3内科) |
共同演者 | 吉治仁志(奈良県立医科大学第3内科), 野口隆一(奈良県立医科大学第3内科), 池中康英(奈良県立医科大学第3内科), 相原洋祐(奈良県立医科大学第3内科), 堂原彰敏(奈良県立医科大学第3内科), 福井博(奈良県立医科大学第3内科) |
抄録 | 【目的】我々はこれまでに糖尿病の新たな治療薬として臨床で使用されているDPPIV阻害薬(DPPIV-Dが活性化肝星細胞(Ac-HSC)に直接作用し細胞増殖などを抑制することをin vitroの系で証明した.今回は実験的肝線維化モデルにおけるDPPIV-1の効果について検討し作用機序の解析を行った.r方法】F344雄性ラットにブタ血清(Oisml/kg)を週2回腹腔内投与して実験的肝線維症を作成した.DPPIV一一1としてsitagliptinを100 mg/kg/日(低用量)または300mg/kg/日(高用量〉経ロ投与して8週後に動物を犠死させ各種検討を行った.肝線維化進展の程度については組織学的検討と共にイメージアナライザーによる半定量を行いtAc-HSCへの作用を検討するためにα一SMAを指標とした免疫染色を行った.さ.らにin vitroにおいてPDGF-BB刺激時のAc-HSC増殖TGF一βcollagen X生に及ぼすDPPIV-1の影響についてMTT assayreal一亘me PCRELISA法を用いて解析した.【結果1ブタ血清投与時の肝線維化はDPPIV-1の投与により顕著に抑制され抑制の程度はDPPIV-1の用量に依存性であった.ブタ血清投与によるAc-HSCの免疫染色性の増強もDPPIV-1の投与により抑制されその程度は線維化の抑制にほぼ平行するように高用量投与群でより顕著であった.In Vitroでの検討においてPDGF-BB(10ng/ml)刺激により促進されたAc-HSCの増殖TGF一βcollagenの産生およびmRNA発現はDPPIV-1存在下で有意に抑制された.【結論】DPPIVを阻害することにより肝線維化はi著明に抑制された.その作用機序としてはAc-HSCの抑制に伴うTGF一βcollagen産生の低下が考えられた.糖尿病には非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を合併しやすいが糖尿病新薬のDPPIV-1が肝線維化進展抑制にも有効である可能性が示唆された. |
索引用語 |