抄録 |
【目的】原発性胆汁性肝硬変(PBC)は抗ミトコンドリア抗体の出現と肝内胆管細胞の免疫学的な傷害が病変の首座と考えられている.我々は移植時のヒト摘出肝を用いて病態再現に必要な胆管上皮細胞と免疫細胞集団の組み合わせをex vivoで再構築しNK細胞が自然免疫刺激下で活性化されて自己胆管細胞を破壊することを報告してきたそこで実際の生体内でのNK細胞の役割をPBCモデルマウスで解析することとした.【方法】PBCモデルマウスとして既報のとお1り20A-BSAをB6マウスに定期的に免疫し作成した.モデル作成時NK:1.1抗体を継続的に投与してNKINK:T細胞を除去する群とNK:/NKT細胞を除去しない群で比較検討した.6週毎に血清と脾臓リンパ球を採取し最終的には24週で胆管炎の有無を病理学的に検討したミトコンドリア抗体対応抗原の代表的なPDC-E20GDC-E2BCOADC-E2タンパクを用いて抗ミトコンドリア抗体の産生をELISAでPDC-E2の主要エピトープを綱輸する形で計8種類の合成ペプチドを用いて脾臓T細胞の産生するIFN-gをELISPOTで検討した.【成績】6週12週というPBC誘導初期においてNK:/NK:丁細胞を除去した群は除去しなかった群と比較して抗体IFN-g産生ともに低下していた.18週.24週頃いうPBC病態完成期では両群の抗体IFN-g産生に差を認めなくなっていた、24週での肝臓は両群ともに胆管炎は軽微であり差を認めなかった。また6週と12週では解毒とも胆管炎ははっきりせず病理学的な比較は困難であった。【結論1NK/NKT細胞はPBCの病初期に抗体産生とT細胞反応性といった獲得免疫系を充進させ病態に積極的に関与している可能性が示唆された.その一方で獲得免疫が完成された後にはNK/NKT細胞は病態に関与していない可能性が示唆された。 |