セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-058 B型慢性肝疾患に対する核酸アナログ投与による発癌抑制効果

演者 保坂哲也(虎の門病院肝臓センター)
共同演者 鈴木文孝(虎の門病院肝臓センター), 小林正宏(虎の門病院肝臓センター), 瀬古裕也(虎の門病院肝臓センター), 川村祐介(虎の門病院肝臓センター), 瀬崎ひとみ(虎の門病院肝臓センター), 芥田憲夫(虎の門病院肝臓センター), 鈴木義之(虎の門病院肝臓センター), 斎藤聡(虎の門病院肝臓センター), 荒瀬康司(虎の門病院肝臓センター), 池田健次(虎の門病院肝臓センター), 熊田博光(虎の門病院肝臓センター)
抄録 【目的】核酸アナログ製剤(LAM. ADVETV)の抗ウイルス効果は良好であるが投与症例の増加と共に肝発癌例が出現してきている.今回の我々はこれら核酸アナログ製剤投与中の肝発癌に寄与する因子について背景因子や抗ウイルス効果の側面から検討した.1方法1対象は当院でB型慢性肝疾患に対して核酸アナログ製剤(LAMまたはETV)の投与を開始した1312例である.投与症例について核酸アナログ投与開始後の肝発癌率と発福に寄与する要因を検討した.またコントロール群として当院で核酸アナログ無投与症例1259例と発癌率や予後について比較検討した.【結果】1312例申95例(8%)でHCCを発症した.HCC発症した95例中核酸アナログ投与1年以内発癌例は17例1年以降発癌例は78例であった.観察期間の中央値は5年であった.核酸アナログ投与1年以降の肝発癌に寄与する因子について治療反応性を加味して多変量解析したところ開始半年後AST異常値(HR:2.89P<0、001)開始後1年後HBVDNA陽性(HR:224P=0.003)開始後1年以内薬剤耐性出現(HR:2.16P=0.039)50歳以上(HR:2.16P=0.004)¥GTP高値(HR:1.94P=0.042)肝硬変(HR:1.57PくO.OO1)の6因子が独立因子として抽出された.上記と同様にコントロール群を含めて肝発癌に寄与する函子を多変量解析したところ年齢男性AST値. yGTP値HBe抗原陽性肝硬変の背景因子が抽出された他核酸アナログ投与でHBVDNA陰性(開始後1年)が得られることも独立因子として抽出された(HR:0.55、 P = O.OO2).またコントロール群に比べて核酸アナログ群(開始後1年DNA陰性)では線維化進行例で特に発癌率が低率であった〔P<O001).1結語】核酸アナuグ投与によりHBVDNA抑制が得られている症例では特に繊維化進行例で発癌抑制されると考えられる.
索引用語