抄録 |
【目的】本邦ではB型慢性肝炎に対する治療としてガイドライン上核酸アナログ製剤のエンテカビル(ETV)が第一選択となっている.今回我々はエンテカビル長期投与によるウイ.ルス量の変化・肝予備能の詳細な経過を明らかにすることを目的とした.【方法】対象は当院においてエンテカビル投与歴が2年以上あるB型慢性肝炎患者50例.男女比33:17.ラミブジンからの切り替え症例5例新規投与例45例.エンテカビル投与開始後1236. 121824. 36.48ケ月時点でのHBV-DNA量ALTアルブミンPTの経過を検討した.【成績】エンテカビル開始時の年齢は52.6±106歳新規投与例のうちHBeAg陽性例は20例HBeAg陰性例は25例であった.開始時のHBV-DNA量はHBeAg陽性群で7.5±1.llogcopies/mlHBeAg陰性群で6.1±1.510gcopk…s/ml.投与24ヵ月以降のHBV-DNA陰性化率はHBeAg陽性群で24ヵ月:15/19(78.9%)36ヵ月:14/17(8Z4%)48ヵ月:10/12(83.3%)HBeAg陰性群では24ヵ月二25/25(100%)36ヵ月:22/22(100%)48ヵ月:11/11(100%)とHBeAg陰性群で優位に高かった.ALTはエンテカビル投与3ヵ月でHBeAg陽性群:36.4±21.1 IU/LHBeAg陰性群こ334±1&41U/しと正常範囲内となり有意差はみられなかった.アルブミンはエンテカビル投与開始時HBeAg陽性群で3.78±OMg/dlHBeAg陰性群で3.e9±O.47g/dl36ヵ月後はそれぞれ 434±0.32g/dlt 428±0299/d1と増加傾向がみられた. PTはエンテカビル投与開始時肥eAg陽性群で8117±14.6%HBeAg陰性群で91.8±222g/dl36ヵ月後はそれぞれ 9s.o±13.4%lo3.3±7.5%と改善傾向がみられた.【結論1エンテカビル投与後のHBV-DNA陰性化率はHBeAg陰性例で有意に高かった.またエンテカビル投与3年の長期経過でアルブミンPTは有意に改善した. |