セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-061 核酸アナログ治療抵抗例に対するテノホビルの有用性

演者 鈴木義之(虎の門病院肝臓センター)
共同演者 保坂哲也(虎の門病院肝臓センター), 鈴木文孝(虎の門病院肝臓センター), 瀬崎ひとみ(虎の門病院肝臓センター), 芥田憲夫(虎の門病院肝臓センター), 原祐(虎の門病院肝臓センター), 瀬古裕也(虎の門病院肝臓センター), 川村祐介(虎の門病院肝臓センター), 小林正宏(虎の門病院肝臓センター), 斎藤聡(虎の門病院肝臓センター), 荒瀬康司(虎の門病院肝臓センター), 池田健次(虎の門病院肝臓センター), 熊田博光(虎の門病院肝臓センター)
抄録 【目的1核酸アナログ治療は治験の時代を含め15年以上を経過しB型慢性肝疾患患者の予後の向上に多大な貢献をしたことは事実である.しかしながら長期投与中の症例の中には多剤耐性例や不式例が存在し治療に難渋する症例が散見されるようになってきた.このような症例に対して新規治療薬であるテノホビル(TDF)を導入した症例の検討を行ったので報告する.【方法】当院において2011年10月までに核酸アナログを開始し1年以上の経過観察を行っている症例はLMV1116例(このうちADV併用367例ETV切り替え229例). ETV 540例である.治療抵抗例8例に対しTDFを併用投与しておりそれぞれの症例の背景因子投与理由その後の経過(HBV-DNA陰性化率ALTの維持率)につき検討した.【成績】8例のTDF投与開始時の背景は男性5例(63%)年齢46.5歳(37-65)HBV-DNA5.110g copy/m1(3.9-7.6)であった.耐性についての検討ではLMVADVETV3剤耐性が2例LMVADV抵抗例が4例(うち巨漢は耐性)LMVETV2剤耐性が1例ETV不応ADV耐性が1例であった.また4例にA181T2例にS202G変異を認め他には180204236にも変異を認める症例があった.治療反応性はいずれも良好であり投与開始後1カ月のHBV-DNA減少量は一1.610g2か月では一2.53か月で一2.8であった.観察最終時点では4例(50%)が検出感度以下3例が2510g以下まで低下し全ての症例において肝炎の再燃は認められていない1結語】TDFを併用投与した症例に対する抗ウイルス効果は良好であった.今後の更なる検討が必要であるが本疾患に対する核酸アナログ治療抵抗例に対する治療の選択枝となりえることが示された.
索引用語