セッション情報 | 一般演題(口演) |
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タイトル | O-063 ACE阻害薬低用量IFNリバビリン併用カクテル療法による肝線維化抑制効果 |
演者 | 吉治仁志(奈良県立医科大学第3内科) |
共同演者 | 野口隆一(奈良県立医科大学第3内科), 鍛治孝祐(奈良県立医科大学第3内科), 相原洋祐(奈良県立医科大学第3内科), 守屋圭(奈良県立医科大学第3内科), 堂原彰敏(奈良県立医科大学第3内科), 福井博(奈良県立医科大学第3内科) |
抄録 | 【目的】プロテアーゼ陽害薬の登場により慢性C型肝炎に対するインターフェロン(IFN)治療成績の更なる向上が期待されるが強力な抗ウイルス療法が困難な例や難治例も未だ多く存在することから予後改善のために肝線維化抑制は重要である.我々はこれまでにACE阻害薬(ACE-1)やAngiotensin一[【受容体阻害薬(ARB)などによる肝線維化抑制効=果やIFN抵抗例にACE-1と低用量IFNの併用が抗線維化作用を示すことを報告してきた今回はリバビリン(RVB)を加えることでより強い抗線維化作用が認められるか否かについて作用機序を含め’て検討した.【方法】四塩化炭素によるマウス実験的肝線維症を作成しARB(10Sar一㎞;30mg/kg)投与群IFN(1]FN-or:lxlO41U/週2回)投与群RVB(10mg/kg)投与群2剤併用群(ARB+IFNARB+RVBIFN+RVB)3剤併用群(ARB+IFN+RVB)およびコントロール(C)群の8群に分け各種検:討を行った.さらにin vitroにおいて活性化肝星細胞(Ac-HSC)増殖TGF一β産生に及ぼす各薬剤の影響について解析を加えた.【結果】ARBIFNRVB各相共にC群に比し肝線維化が有意に抑制された.二剤併用投与では単剤投与より線維化抑制効果が強く三塁全てを投与した群において最も強い線維化抑制効果が認められた.また肝における活性化肝星細胞Ac-HSC数T(F一β産生の増加は各薬剤投与により掬制されこれらの変動は線維化抑制の程度に相応していた.血vitroの検討でもAc-HSCの増殖およびTGF一β産生はARBIFNRVB存在下で抑制され三者共存下で最も強く抑制された.【結論1抗ウイルス剤である.RVBがAc-HSCに対し直接的作用を有することが明らかとなった.ARBIFNRVBカクテル併用療法が肝星細胞の活性化阻害を伴う著明な肝線維症抑制効果を示したことから強力な抗ウイルス療法が困難な例やウイルス陰性化を望めない臨床例に対する予後改善を目指した治療として有用である可能性が示唆された. |
索引用語 |