セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-074 高齢者に対する緊急ERCPの安全性と有用性

演者 山子泰加(愛媛県立中央病院消化器内科)
共同演者 達川はるか(愛媛県立中央病院消化器内科), 平岡淳(愛媛県立中央病院消化器内科), 今井祐輔(愛媛県立中央病院消化器内科), 宇都宮大貴(愛媛県立中央病院消化器内科), 田鶴谷奈友(愛媛県立中央病院消化器内科), 清水祐宏(愛媛県立中央病院消化器内科), 依光展和(愛媛県立中央病院消化器内科), 日高聡(愛媛県立中央病院消化器内科), 谷平哲哉(愛媛県立中央病院消化器内科), 長谷部昌(愛媛県立中央病院消化器内科), 宮本安尚(愛媛県立中央病院消化器内科), 二宮朋之(愛媛県立中央病院消化器内科), 道堯浩二郎(愛媛県立中央病院消化器内科)
抄録 【目的1高齢化が進み緊急ERCPを施行する高齢者も多い.当院で施行した緊急ERCPの高齢者における安全性と有用性を明らかにする.【方法】2010年から2011年に施行したERCP665例のうち閉塞性黄疸や総胆管結石などの緊急ERCP症例129例.75歳以上を高齢者と定義し非高齢者と臨床像(認知症の有無抗血小板薬・抗凝固薬内服の有無カニュレーション成功率や処置後の膵炎の有無など)を検討した【結果1高齢者は70例(平均年齢82.7土5.1歳)非高齢者は59例(60.3±12.2歳).高齢者・非高齢者における背景疾患は悪性腫瘍による閉塞性黄疸20vs、14例総胆管結石50vs.45例.高齢者では認知症合併が多く(32.9%vs6.8%二Pくα05)Performance Status(PS)の低い症例が多かった(PS3と4の割合457%vs.3.4%:PくO.05)高齢者の初回緊急ERCPは減黄排膿を9的としたドレナージまでで終了することが多くt施行時間は非高齢者と比べ有意差はみられず(23±25分vs.26±20分二P=O.763)完全採石にかかる処置回数は高齢者で有意に多かった(2.4±1.0回vs.1.8±0.9回:P〈0.05).高齢者で傍乳頭憩室が多く(45.7%vs.169%:P〈α05)抗血小板薬・抗凝固剤の使用例も多かったが(37.1%vs.68%:P<O.05)乳頭部プレカットの施行率の差はなく(11.4%vs.13.6%: P=O.706)重篤な出血はみられずカニュレーションの成功率に有意差はなかった(95.7%vs.93.2%:Pニ0.814).処置後の重症膵炎合併頻度についても有意差はみられなかった(1.4%vs.O%:P=O.889)【結論】高齢者では認知症の合併やPSの低下した症例が多く.傍乳頭憩室を有する症例や抗血小板薬・抗凝固剤の使用例が多かったがカニュレーション成功率や処置後の重症膵炎合併頻度については:有意差がなかった.高齢者における緊急ERCPの安全性と有用性は慎重に施行すれば非高齢者と同等であることが示唆された
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