セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-077 ERCP研修における安全性の担保

演者 白鳥俊康(亀田総合病院消化器内科)
共同演者 中路聡(亀田総合病院消化器内科), 平田信人(亀田総合病院消化器内科)
抄録 研修を受ける立場から【背景】近年の画像診断の進歩により診断的ERCPは減少し胆管カニュレーションを訓練する機会が減少した.しかし治療的ERCPは増加し高齢化により患者の背景因子も複雑化している.技術を向上するためには経験を積むことが必要であるが安全性の担保が最も重要である当施設におけるERCP研修を振り返り術者交代の適切なタイミングについて検討した.【方法1上下部内視鏡検査が単独施行可能となった8名に6ヵ月間2難ずつERCP研修を実施3ヵ月毎に前後半に分け技術到達度を1)乳頭到達不能2)胆管造影可能3)胆管深部挿管に分け評価した胆管挿管時間は乳頭正面視から深部挿管までの時間を計測した.1成績】個人ERCP件数中央値は129件(未処置乳頭件数80件).胆管深部挿管率中央値は452%(前半:42.0%t後半:49.2%).研修者深部挿管成功例におけ.る平均挿管時間は3.5分であった3分以内挿管率527%5分以内挿管率77.7%7分以内挿管率 M.4%であった、4時間後amyは3分以内群1753-5分群2035-7分群37324時聞後amyは3分以内群1273-5分群1645-7分群363であった.偶発症として挿入時の咽頭粘膜裂創と噴門部粘膜裂創を1判ずつ認めた.【結論】安全にERCP研修を行うためには研修者の現状の到達度を正確に把握しておくことが重要である.ERCPの最大の目標は安全に完遂することで経験を積むことは二の次である.研修者は手技に集中すると時間経過が気にならなくなるため適切な交代のタイミングは指導者が判断することが重要である.常日頃から後方斜視鏡に触れる機会の少ない研修者にとってロ腔内挿入から乳頭正面視までの内視鏡操作も困難なこともある.カニュレーションに関しては平均時間挿管率t処置後amyの推移からカニュレーション開始後5分が交代のタイミングの一つだと考えられた。研修者は「もっとやりたい」「もう少しなのに…」と考えがちだが「取り上げられた」「機会を与えてもらえない」といった負の感情を抱くことの無いようにデータに基づく指導が重要である
索引用語