セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-078 挙上空腸再建経路を考慮した内視鏡の選択~Billroth II法再建後症例へ対応~

演者 中路聡(亀田総合病院消化器内科)
共同演者 平田信人(亀田総合病院消化器内科), 小林正佳(亀田総合病院消化器内科)
抄録 【はじめに】BII法では挙上空腸は結腸前または後で胃空腸吻合が行われる.一般的に結腸前吻合の方が輸入脚が長くなるため乳頭到達が困難となるわれわれは術前CTおよび手術記録による空腸再建経路判定により内視鏡を選択しておりその結果を報告する.【症例と方法】2008年3月から2011年9月までにERCPを施行したBII再建症例154件の内初回施行で直視鏡を用いた59例を対象とした.【結果1総乳頭到達寧は93.2%であり乳頭到達症例では全例乳頭処置が可能であった.上部内視鏡先発群で.は43例中38例で到達可能.到達不能であった5例申3例は細径大腸内視鏡で乳頭到達可能であり残りの2例は経皮的処置に変更した.細径大腸内視鏡先発群では16例中11例で到達可能.到達不能であった5例中3例は小腸内視鏡で乳頭到達可能であり残りの2例は経皮的処置に変更した.挙上空腸再建経路別に検討すると結腸露礁では22例中で全例先発内視鏡(上部内視鏡21例細径大腸内視鏡1例)で乳頭到達可能であったが結腸前群では37例中先発内視鏡の乳頭到達は上部内視鏡で772%(22例中17例)細径大腸内視鏡で66.7%(15例中10例)と低値であった.上部内視鏡で到達不能であっ.た5例は細径大腸内視鏡に変更し3例は乳到達可能であり2例は経皮的処置とした初回細径大腸内視鏡で到達不能であった5例申3例は小腸内視鏡に変更することで乳到達可能であったが2例は小腸内視鏡に変更せず経皮処置とした.【結語1結腸後再建BU症例では上部内視鏡で容易に乳頭到達力河能であり上部内視鏡が第一選択と考えられた.一方結腸前再建症例では細径大腸内視鏡を用いても81%程度の乳頭到達率であり処置時間の点から細径大腸内視鏡を第一選択とし困難であれば小腸内視鏡への移行も速やかに行うべきと思われた.BH再建症例のERCPにおいて挙上空腸の再建経路を確認することは内視鏡選択に有用であると考えられる.
索引用語