セッション情報 一般演題(口演)

病態

タイトル

O-085 急性胆管炎急性膵炎に合併したDICに対する治療ストラテジーの前向き検討

演者 末谷敬吾(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科)
共同演者 中原一有(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 奥瀬千晃(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 足立清太郎(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 路川陽介(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科), 伊東文生(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科)
抄録 【背景】急性胆管炎(AC)急性膵炎(AP)に合併したDICの治療法は一定のコンセンサスはなく特にDIC新規治療薬であるトロンボモジュリン(rTM)の登場以降新たな治療指針が望まれている.【目的】アンチトロンビン(AT)、 rTMを中心としたDIC治療ストラテジーを提示しt ACAPに合併したDICに対する有用性と安全性を検証する.【方法】対象はACAPに合併したDIC17例(AC:14AP:3)であるDIC治療のストラテジーはまずDIC診断時のAT値によってアルゴリズムを決定し1)AT値69%以下;AT 1500単位/臼を3日間投与し急性期DICスコアの改善が無い場合は3日目からrTM製剤380単位/㎏/日の併用を行う2)AT値70%以上:rTM製剤380単位/kg/日の投与を行うとした.治療開始後前向きに2日於きに血液所見.DICスコアの推移を評価した.また後ろ向きにDIC離脱/継続群治療法別にAT/rTM/AT+rTM群およびAC例では胆道ドレナージ有/無群の間で比較検討した.【結果】治療7日後には80%以上のDIC離脱準が得られた.DIC離脱/維持群の比較ではIL-6(P〈O.01)は3日後Plt(P=0.02)CRP〈Pく0.Ol)は5日後から統計学的有意差を認めており早期のDIC改善予測マーカーとなり得る可能性が示唆された.治療アルゴリズム別の比較ではAT単独投与にてDICスコアの改善が得られないものは.その後にrTMを投与しても改善が緩徐であったが泊療9日後のDICスコアではAT単独群rTM単独群との聞に有意差はみられずAT抵抗性DICに対するrTMの有効性が示唆された.胆道ドレナージ有/無爵での比較では短軸で有意に改善が得られた.有害事象は併存疾患の胃癌出血を1例に認め輸血を要したがrTM中止PPI投与で保存的に改善した.治療後28日目の転帰はt3例が死亡したがいずれも併存疾患の癌死であった.【結論IIATrTMを中心とした本ストラテジーはt ACおよびAPに合併したDICに対し有用で安全に異邦可能であると考えられた.
索引用語