セッション情報 一般演題(口演)

病態

タイトル

O-086 PPI服用が総胆管結石患者の胆管炎発症に与える影響

演者 玄泰行(京都府立与謝の海病院消化器科)
共同演者 廣瀬亮平(京都府立与謝の海病院消化器科), 井上健(京都府立与謝の海病院消化器科), 土肥統(京都府立与謝の海病院消化器科), 城正泰(京都府立与謝の海病院消化器科), 時田和彦(京都府立与謝の海病院消化器科)
抄録 1背景】急性胆管炎は胆管内に急性炎症が発生した病態でありその発生には1)胆道閉塞機転と2)胆汁中への細菌感染の2因子が必須である.胆道閉塞の原因は総胆管結石症が最も多いが総胆管結石を有していても急性胆管炎を発症する場合と発凝しない場合がある.PPI服用は胃酸を抑制することで消化管の細菌繁殖を助長し肺炎やCD腸炎発症のリスクであると多数報告されているがt急性胆管炎への関与は報告がない.【目.的】PPIが総胆管結石症例における急性胆管炎発症のリスクであるかどうかを明らかにする.【対象と方法】2009年董月から2011年10月までに当院で加療した125回の総胆管結石治療例を対象とした.胆管炎を発症した群.(胆管炎群)81例胆管炎を起こさずt待機的に治療した群(非胆管炎群)44例の2群に分けて検討した(同一患者の再発症例による重:複を含む)なお胆管炎の診断重症度はガイドラインに従った.両群の発症時において患者背景因子として年齢PPIの服用H2blockerの服用糖尿病の有無を胆管因子として傍乳頭憩室の有無EST後乳頭か否か結石数結石径を比較した.なお胃切除後胆石膵炎胆嚢炎症例は除外した.統計解析はX2testかFisher’s exact testを用いた.【結果1胆管炎群非胆管炎群におけるPPI服用率はそれぞれ36%(29/81)16%(7/44)と有意に胆管炎群に多かった(P=0.02)その他の因子は両群間で有意差は認めなかった.胆管炎の重症度はPPI服用29例中5例口重:症PPI非服用52例中9例が重症であり差は認めなかった.またEST後に総胆管結石を再発した患者20人のうち胆管炎を発症した13人中8人がPPIを服用発症しなかった7人中1人がPPI服用患者であり(P=0.06)傍乳頭憩室を有した総胆管結石患者45人中胆管炎を発症した29人中12入がPPIを服用発症しなかった16人中1人がPPIを服用していた(P=O.Ol)【結藷】PPI服用は総胆管結石症患者における胆管炎発症のリスクである可能性が示唆された.
索引用語