セッション情報 一般演題(口演)

病態

タイトル

O-087 胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)の分類とその意義

演者 田端正己(三重大学肝胆膵・移植外科)
共同演者 村田泰洋(三重大学肝胆膵・移植外科), 栗山直久(三重大学肝胆膵・移植外科), 大澤一郎(三重大学肝胆膵・移植外科), 岸和田昌之(三重大学肝胆膵・移植外科), 濱田賢司(三重大学肝胆膵・移植外科), 水野修吾(三重大学肝胆膵・移植外科), 臼井正信(三重大学肝胆膵・移植外科), 櫻井洋至(三重大学肝胆膵・移植外科), 伊佐地秀司(三重大学肝胆膵・移植外科)
抄録 【目的】近年胆管内乳頭状腫瘍(IPNB)の概念が提唱され膵IPMNのカウンターパートとしてその類似性が指摘されているそこで教室のIPNB症例を膵IPNMに準じて分類しその妥当性や有用性について検討した【対象と方法】教室で切除したIPNB17例(従来の粘液産生胆管腫瘍t胆管内発育型肝内胆管癌を含む)を膵IPMN分類の主膵管型および分枝型に準じ主胆管型(総胆管総肝管~左右肝管に発生したもの)10例および分枝胆管型(第ご分枝以降の末梢胆管に発生したもの)7例に分類しその臨床病理学的特徴や治療成績を対比検討した.【成績1主胆管型(10例〉:病変が主胆管に限局したものが6例で4例は分枝胆管まで病変がおよんでいた(膵IPNMの混合型に相当).組織診断は全例腺癌(m㎞9例ss 1例)でt 6例に表層拡大進展を認め1例は多発していた。細胞形態(検索7例)はpancreatobiliary type 3例intestina1 type 3例oncocystictype l例でgas面。 typeは無かった.手術は左葉切除を5例右葉切除を1例PDを4例に行い全例肝外胆管切除を併施した.根治度は6例で治癒切除が得られたが表層拡大進展合併6例申4例はC工Sによる断端陽性で非治癒となった.非治癒の4例中2例が局所再発死亡したが残りの8例は3年10ヶ月~24年10ヶ月無再発生存中(あるいは他病死)である.分枝胆管型(7例):全例左葉に病変が存在した.組織診断は腺腫2例境界病変1例上皮内癌3例微小浸潤癌1例で表層拡大進展例はなかった.細胞形態(検索4例)はgastric type 3例intestinaltype1例であった.手術は固葉切除を6例(うち胆管切除西施1例)拡大外側区域切除を1例に行い全例治癒切除が得られた.2ヶ月一15年8ヶ月無再発生存中(あるいは他病死)である.【結論】1)IPNBを主胆管型および分枝胆管型に分けるとそれぞれ主膵管型IPMNI分枝型IPMNの特徴と近似していた.2)本分類はIPNBの治療法やその取扱いを検討するうえで有用.と考えられた.
索引用語