セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-094 セルレイン慢性膵炎モデルを用いた「耐糖能と免疫」異常の包括的検討

演者 中村雄二(慶應義塾大学消化器内科)
共同演者 金井隆典(慶應義塾大学消化器内科), 佐伯恵太(慶應義塾大学消化器内科), 高部美穂(慶應義塾大学消化器内科), 宮田直輝(慶應義塾大学消化器内科), 山岸由幸(慶應義塾大学消化器内科), 樋口肇(慶應義塾大学消化器内科), 中本伸宏(慶應義塾大学消化器内科), 海老沼浩利(慶應義塾大学消化器内科), 日比紀文(慶應義塾大学消化器内科)
抄録 【目的】糖尿病が増加し境界型を含めた患者は2000万人と推定され膵臓インスリン分泌機序の解明が急務である.しか.し症状の乏しい慢性膵炎(CP)患者から膵臓組織採取は困難でヒトでの慢性膵炎とインスリン分泌機序の検討は容易ではないしたがって適切な動物モデルが必要でマウスセルレインCPモデルにおける外野能異常を免疫異常の観点から解析した.1方法】マウスにセルレインを1時間毎6回投与する急性膵炎(AP)モデル遍2回10週にわたり継続投与するCPモデルを作成した.最終セルレイン投与の1週間後に血液と膵臓を採取するとともにCPにブドウ糖注射後の血糖変化から耐糖能ヒューマリンR注射後の血糖変化からインスリン感受性を検討した.マウスは野生型(WT)CCR2-K:0マウスを用い膵臓浸潤マクロファージ(Mac)遊走におけるCCR2の関与をFACSで解析した.【結果】CPの膵組織は線維化と腺房細胞脱落を認め血中AMY・LIP値が低下しヒト慢性膵炎に類似していた.WTに比しCCR2-KOはAPで炎症を掬制したがCPで:は逆に炎症を増悪させた.CDIIb’Gr-1’”” MacがAP・CP共にCCR2-K:0で低下しておりこのMacは鯉でTNF一αを産生していた. CCR2-KOはCPで耐糖能が悪化したがインスリン感受性は変化せずインスリン分泌低下によると考えられた蛋白解析によりCPマウス膵組織中にGLP-1発現低下を認めた.【結論1ヒトのCP形態を呈する動物モデルを作成しこのモデルが膵内分泌機能研究に有用であることが示された.CCR2依存的なCDllb+Gr-11aw MacマクロファージはM増悪とCP抑制に関与しCP膵ラ氏島のGLP-1受容体発現がインスリン分泌を調節していることが示唆された以上本モデルは耐糖能と免疫異常の包括的検討に有用なモデルと結論した.
索引用語