セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-096 急性膵炎におけるプロカルシトニン測定の有用性

演者 北村勝哉(昭和大学消化器内科)
共同演者 吉田仁(昭和大学消化器内科), 佐藤悦基(昭和大学消化器内科), 岩田朋之(昭和大学消化器内科), 野本朋宏(昭和大学消化器内科), 池上覚俊(昭和大学消化器内科), 井廻道夫(昭和大学消化器内科)
抄録 1目的】プ堺田ルシトニン(PCT)は. カルシトニンの前駆蛋白であり重症細菌感染症敗血症のマーカーとして注目されている.急性膵炎(AP)患者におけるPCT測定の有用性を検討した.【方法】2009年3月から2011年9月まで当施設で診療した厚労省AP 121例を対象とした.入院481時間以内に血清PCT値を測定し重症型や予後の予測因子となり得るかをretrospectiveに検討した数値は中央(最小~最大)値表記.【結果】AP 121例の年齢52(15~92)歳男性89例女性32例.成因はアルコール性50例胆石性31例特発性22例その他18例、厚瞬断重症度判定は軽症48例t重症73例致命率4.1%(5/121).入院48時聞以内の血清PCT値は、 O.12(0.02~261)皿g/mlであり陽性(>0.05 ng/ml)80例陰性41例であった. PCT陽性群と陰性群の比較では厚労省重症度(軽症:重症)に有意差を認め(21:59vs.34:7p<0.001)陽性群では陰性群と比較して血液培養陽性率(20%vs。0%P=0.041)SIRS陽性率(35%vs. 12.2%p = O.077)膵壊死(膵造影不良域)合併率(28.8%vs. 12.5%p=O.041)臓器不全合併率(48.8%vs17.1%p〈O:OO1)重症感染症合併率(22.5%vs.4.9%pニ0.027)が有意に高かった.また厚労省予後因子とPCT値は有意な相関関係を示し(相関係数Q611p<0、001)PCT値(ng/m1)は生存例と比較して死亡例で有意に高値であった(0.11 vs.25.9p = O.OO5). PCT値による死亡予測はcut-off値035で感度100%特異度66.3%cut-ofF値10で感度60%特異度95.7%であった(AUCO.865).【結論Lk.性膵炎早期のPCT値は重症度や予後予測に有用な指標となる可能性が示唆された.
索引用語