セッション情報 一般演題(口演)

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O-102 IgG4関連硬化性胆管炎および自己免疫性膵炎における非典型例の診療とその重要性

演者
共同演者
抄録 【背景】IgG4関連硬化性胆管炎(IRSC)の診断基準は検討議論を重ね胆道学会学術集会での公聴会を経て公示前過程にあるが現時点の胆管像分類では分別できない自験例が存在する.自己免疫性膵炎(AIP)では血中IgG4正常で膵にIgG4+形質細胞浸潤がある例、膵尾部限局性腫大例など非典型例があり膵管癌合併例を経験した.【目的】mSCA工Pの非典型例の現状診療を解析しその重要性を明らかにする【対象1当施設で外来または入院診療したIRSCおよびA工P患者を対象とした.【成績】IRSCは23例でIgG4関連疾患(IRD)28例の82.1%に相当した. AIPは28例であった.平均年齢はIRDが67.O. mSCが68.1AIPが66.4歳であった.’IRDIRSCの血中IgG4は729776 mg/d1であった. IRSCの胆管像分類ではType1:2:3:4=11:3:6:1例ほか2例は肝内胆管のみの狭窄・拡張で分類不能でありうち1例は小葉間胆管周囲にIgG4+形質細胞浸潤を認めたが肝内胆管癌が否定できず肝切除術を行った.もう1例は自然寛解した.血中IgG4が135mg/dl(cut off)未満を呈したIRSCは2AMは5例でそれぞれ2例では強拡生検組織1視野あたり10個を超えるIgG4’形質細胞を認めた膵尾部限局性腫大を呈するAIPの1例は自然寛解した.膵管癌合併IRSCAIP例の合併前血中IgG4はcut off未満であった【結論】IRSC例の過剰切除回避の点で胆管像分類案は検討の余地があり新Typeの設定が望まれる.AIPでは血中IgG4と組織中IgG4+形質細胞所見との乖離例があり生検組織診の重要性を喚起する.AIP膵尾部腫大例では自然寛解が期待でき血中IgG4 cut off未満のIRSCやAIP例は膵管癌合併に注意する.
索引用語