セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-103 健康成人を対象とした食道内pHモニタリング下での食道内酸注入試験による上部食道下部食道の酸感受性に関する検討

演者
共同演者
抄録 [背景と目的】食道粘膜の知覚過敏の検討を目的として塩酸を食道内に注入するBernstein試験がよく知られている.現在までに改良が重ねられながら多くの検討が行われているがこれまでに上部食道.下部食道の酸感受性について詳細に比較検討した報告は少ないまた食道内pHを同時測定した報告はみられないそこで今回食道内のpHをモニタリングしつつ上部・下部の食道内に酸を注入し食道内pHの変動と酸感受性の比較検討を行った.【対象と方法】健常者17例(男9人女8人平均年齢25.8±2.1歳)を対象とした食道内のLES上端から口側5cmの部位(下部食道)と1コ側15cmの部位(上部食道)に酸注入用チューブを留置し10‘7一一10}i規定塩酸を5mL/分の速度で注入した.この時にLES上端から軍側5cmの部位と口側15cmの部位の2か所において食道内pHの変動を計測した.【結果1上部・下部食道内のpH変化をみると上部食道に酸を注入した時には上部食道下部食道ともpHは低下した、一方下部食道に注入した時には下部食道のpHは低下したが上部食道のpH低下はわずかであった.胸やけ、胸痛.つまり感は下部食道に注入した時よりも上部食道に注入した時に強い症状を訴えた.一方一t呑酸は上部食道に注入した時と下部食道に注入した時で訴える症状の強さに明らかな差異は認めなかった.そこで酸によって誘発されると考えられている胸やけ.胸痛つかえ感呑酸のうち前3者は下部食道よりも上部食道でその感受性が高いことが示された.一方呑酸は上部食道下部食道でその感受性に差異がないことが明らかとなった【結論】胸やけと呑酸は定型的な逆流症状と認識されているがその出現機構については差異が認められるとういうことが推定された.
索引用語