抄録 |
【目的1逆流性食道炎の内視鏡分類としてLos Angeles(LA)分類にびらんや潰瘍を認めず色調変化を示すgrade M(M)と色調変化を認めないgrade N(N)を追加した改訂LA分類が広く活用されているM群とN群では「MはNに比べて酸逆流の類度が高いが症状の程度には差が認められない」とする報告がある一方で「MN間には酸逆流の頻度にも症状にも差がない」とする報告もあり臨床像に差があるか否かに関して結論は得られていない.そこでLA分類(改)でM又はNと診断されたGERD患者を対象に患者背景自覚症状治療反応性を比較した.【方法】LEGEND studyの有効性解析対象例(12653例)のなかで内視鏡検査が実施された5195例のうちLA分類(改〉でM又はNと診断された2.160例(M;1158例N:1002例)を対象にMと診断された例とNと診断された例の患者背景自覚症状(逆流症状およびディスペプシア症状の計9項目)LPZ投与による症状改善度を比較検討した.【結果1患者背景では年齢性別には差は認めなかったが食道裂孔ヘルニアとGERDの発症に関連すると考えられる生活習慣の存在がM群で高率であった.自覚症状の.程度を比較したところtM群はN群と比較し「胸やけ」「呑酸」「早期飽満感」.「胃部膨満感」等の計6項目において程度の重い患者の割合が高率であった.治療においてはM群でLPZ30!ng投与例生活指導の実施例が多かったLPZ投与4週後の自覚症状改善度は各症状においてN群では547一一70.3%M群では57.3一一72.9%でありM群での改善度が高い傾向を示したがMN群間で有意な差を認めなかった.1結論】IM群はN群と比べて自覚症状の程度が重く生活指導や高用量のLPZによる治療が行われている実態が明らかになった.またLPZ投与による自i覚症状の改善効果はMで高い傾向を示したがNと比べて有意な差ではなかった. |