セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-113 十二指腸胃食道逆流によるInflammation-metaplasia-adenocarcinoma sequenceを再現した食道発癌モデルの有用性

演者 宮下知治(金沢大学消化器乳腺移植再生外科)
共同演者 藤村隆(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 二宮致(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 伏田幸夫(金沢大学消化器乳腺移植再生外科), 太田哲生(金沢大学消化器乳腺移植再生外科)
抄録 【はじめに1欧米では食道腺癌の罹患率の上昇とともに死亡率も増加しておりその予防は急務であるが未だ確立されていない食道腺癌は胃液あるいは十二指腸液による持続的な刺激により食道への慢性炎症が惹起されInflammation-metaplasia-adenocarcinoma sequenceにより進展することが広く知られている.我々はラットを用いた食道への十二指腸液単独あるいは十二指腸液と胃液の混合逆流モデルにて発癌剤を使用することなくパレット食道および食道癌が発生することを確認し報告してきた.今回このモデルの重要性を紹介する.【Barrett食道および食道癌の発生過程1 Wistar系雄性ラットを用いて十二指腸食道逆流モデルを作成し術後10週目とに12匹前後を犠牲死させ50週まで食道を観察した.結果は術後10週目では小円形細胞浸潤を伴う扁平上皮過形成変化が認められ。20週目より胃腺窩上皮化生30週目からは川州野営化生に加えて腸上皮化生変化が認められBarrett食:道が完成したtまた食道癌は40週目以降に認められ発癌率は40週目で55%50週で.は69%であった.【細胞株による細胞遺伝学的特徴】同様に十二指腸胃食道逆流モデルを作製し術後40週目に犠牲死させ腫瘍を採取した.採取した腫瘍は病理組織学的に腺扁平上皮癌でその腫蕩より細胞株を樹立しRT-PCRにて解析を行いヒト食道癌細胞株と同様にVEGFPLK. CDK4. HIF1αIGF-1の発現を確認できた.【結語】食道腺癌はlnframmation-metaplasia-adenocarcinoma se-quenceにより発生することが確認されこのラット発癌モデルはヒト食道発癌過程を再現していると考えられt今後は様々な化学予防の対策に有用と考えられる.
索引用語