抄録 |
【背景】潰癌性大腸炎に対し様々な治療薬が術前に投与される様になった帆これらが術後感染性合併症発生に与える影響については十分目解明されていない.【目的1当施設で潰蕩性大腸炎に対して施行された手術例の術前治療薬と術後合併症の関連を術式別に検討しその影響を検討することを目的とした.【方法】2006年1月から2011年10月までに大腸全摘または亜全摘が施行された潰瘍性大腸炎患者165例を対象とした.治療薬は術前総ステロイド量術前1カ月ステロイド投与量そして術前1週間以内のアザチオプリンシクロスポリンAタクロリムス術前4週間以内のインフリキシマブ投与の有無術後感染性合併症は術後30日以内の手術部位および遠隔部位感染症の有無について検討した.【成績1総ステロイド量10g以上は67例(40。6%)1カ月ステロイド投与量600mg以上は48例(29.1%)アザチオプリン15例(9.1%)シクロスポリンA9例(5.5%)タクロリムス7例(42%)インフリキシマブ12例(7.3%)に投与された.術式は大腸全摘+回腸嚢肛門吻合+回腸入工肛門造設術100例大腸亜全摘+直腸粘液痩+回腸人工肛門造設術26例残存直腸切除+回腸嚢肛門吻合+回腸人工肛門造設術39例であうた.術後感染性合併症は手術部位25例(152%)遠隔部位4例(2.4%)に認められ.シクロスポリンA投与群は非投与群に対し大腸全摘+回腸嚢肛門吻合+回腸人工肛門造設術における有意に高く遠隔部位感染発症率(14.3%vs.1.1%P=0.02)とt大腸亜全摘+直腸粘液痩+回腸人工肛門造設術における高い手術部位感染発症(50.0%vs 8.3%P=0.08)を示した【結論1潰自性大腸炎術前のシタロスポリンAの投与は術後感染性合併症を増加させる可能性がある一方生物学的製剤との関連性は認められなかった.術式と感染症発生部位の関連を考慮した治療戦略を立てる必要性が示唆された. |