抄録 |
1背景】大腸癌を合併した潰蕩性大腸炎(以下UC)に対しては肛門管粘膜における発癌も考慮し大腸全摘回腸嚢肛門吻合術(以下IAA)が標準幽艶となっている.しかし肛門管粘膜における発癌の頻度に関する報告は少ない.【目的】大腸癌を合併したUC患者においてIAAを施行した症例の粘膜抜去部にdysplasiaを合併する頻度を検討しIAAの妥当性を明らかにする.K対象・方法1当院で2011年にIAAを施行した大腸癌合併UC8症例の肛門管粘膜切除部を全割病理検査を行いdysplasiaの検索を施行した. dysplasiaの検索に際してはHE染色とp53免疫染色を併用し診断した.【結果】症例は男性6例女性2例全例全大腸炎型で手術時年齢は38歳(25~61)病悩期間は15年(8~42)であった.術式は全例において二期的にIAAを施行した.腫瘍の主占拠部位は直腸が5例(Rb:4例Ra:1例)S状結腸直腸S曲部上行結腸が1点ずつであった.深逮度はmが2例smが4例seが2例であった、全例リンパ節転移を認めず.stageOが2例stageIが4例stagellが2例であった.1例で粘膜抜去部に主病変以外のhighgrade dysplasiaを認めた.【結語】大腸癌を合併したUC症例は粘膜抜去部にもdysp且asiaが合併する可能性があり現状ではIAAを行うことが望ましい.今後多数の症例について同様の検討を行い大腸癌合併UCに対する】IAAの妥当性を検討することが必要である. |