セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-123 炎症性腸疾患手術例の術前栄養管理:完全静脈栄養の有用性の検討

演者
共同演者
抄録 【目的】炎症性腸疾患(BD)手術例の術前管理としてしばしば腸管の安静のみならず栄養改善効果を期待して絶食と完全静脈栄養(TPN)が行われる潰瘍性大腸炎(UC)クローン病(CD)患者それぞれにおけるTPNの栄養改善効果を明らかとするため本検討を行った.【方法】2007年一一2011年までに手術を行ったUCCD症例のうち術前に2週間以上の絶食とTPNを行った各16例23例を対象とした入院時と手術直前に行った採血の各栄養指標を調査しその推移を疾患別に検討した.【結果】各群の平均TPN施行期間はそれぞれ32日35日であったUC群ではステロイド5ASA免疫調節剤抗TNFα抗体の投与や血球成分除去療法が併用された.入院時の平均CRP値は412であったが手術直前には1.03と低下した.血中ヘモグロビン値(Hb)は有意に低下した.血清アルブミン値(Alb)には入院時3、0手術直前銘と有意の変化を認めず末梢血リンパ階数(TLC)とコリンエステラーゼ値(ChE)総コレステロール値(T-chol)も同様であった.プレアルブミン値(PA)は入院時19.1手術直前262と上昇傾向を認めた.CD群ではステロイド投与例はなく5ASA抗TNFα抗体などが併用された.入院時の平均CRP値は6.47であったが手術直前に.は121と低下した.HbAlb(入院時3.Ot手術直前3.6>ChEPA(入院時153手衛直前24.0)は有意に上昇した.TncとT-cho1に有意の変化を認めなかった.【考察】CDではTPNにより貧血の改善と栄養アセスメント蛋白の上昇を認めた.一方UCではこれら栄養指標の改善は認めなかった. PAの上昇傾向はみられることからTPNは肝での蛋自合成能の改善に寄一与してい.ると推察されたがHbAlbChEの改善が得られなかった理由として腸管からの出血と蛋白漏出の影響が考えられた.
索引用語