抄録 |
1背景1潰瘍性大腸炎に対する回腸嚢肛門吻合術後quality of hfe(QOL)は一般的に良好であるといわれているがQOLに影響を与える因子を評価した報告は少ない.【目的】当施設で施行された回腸嚢肛門吻合術後のQOLを評価しこれに影響を与える因子を明らかにする.【対象と方法】2000年10月から2008年9月までの間に回腸嚢肛門吻合術が施行された潰瘍性大腸炎患者のうち人工肛門閉鎖後6カ月以上経過観察されアンケート調査が可能であった55例を対象とした.QOLの評価は日本語版IBDQで行い.全身症状尺度腹部症状尺度精神状態尺度社会活動尺度に分類した.性別年齢手術部位感染発症の有無s術葡ステロイド総投与量ステロイド副作用(脊椎圧迫骨折糖尿病緑内障精神病大腿骨頭壊死)の有無腸管および腸管外合併症の有無について検討した.【結果】アンケート回答率は100%であった.術後QOLスコアの平均は全身症状尺度:229(SE±0.72)腹部症状尺度:55.2(SE±1.17)精神状態尺度:62.8(SE±L52)社会活動尺度27.6(SE±O.76)4項目合計168.6(SE±3.54)であった.性別年齢手術部位感染発症の有無術前ステロイド総投与量腸管および腸管外合併症の有無で4下位尺度のスコアに有意な差は認められなかった.術前ステロイド副作用有した群では術後の社会活動尺度スコアが低くな.る傾向を示.した(24.6 vs. 28.0 p = O.085).適切に対応すればQOLに影響を与えない)【結論】限られた症例数の結果であり今後さらなる検討を要すると考えられるが潰瘍性大腸炎に対する回腸嚢肛門吻合術後のQOLは術前ステロイド副作用に影響される可能性が示唆された. |