セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-125 潰瘍性大腸炎手術症例における術後肺合併症の検討

演者
共同演者
抄録 【背景】潰瘍性大腸炎(以下UC)は術前の全身状態ステロイドなど各種治療により様々な合併症を呈する。特に重篤な肺合併症は致死的となり臨床上問題となる.【目的1UC術後の肺合併症症例の検討を行う.【対象・方法】2010年1月から2011年10月までにUCに対して手術を施行した大腸全摘術結腸亜全摘術122例を対象とし人工呼吸管理を必要とするClavien-Dindo分類Grade4以上の重度な肺合併症を検討した1結果】4例(32%)に重度な肺合併症を認め全例肺炎で気管切開術必要とし人工呼吸管理日数は中央値40日(30-42日)であった.内訳は男性3例女性1例手術時年齢は中央値70歳(69-73歳)ASA score 3点手術時間252分(222-292分)出血量450g(70-700g)術前ヘモグロビン値10.4g/〔ll(8.9-12.7g/dl)術前アルブミン値22g/dl(2.0-3.4gytd1)術前CRP値38mg/d l(0.1-72mg/dl)直近1ヶ月のプレドニゾロン使用量690mg(280-2020mg)であった.厚労省研究班による重症度分類では重症1例中等症3例.であった.肺合併症(一)群(n=118)では手術時年齢40歳術前ヘモグロビンtS 10.89/d1術前アルブミン値3.5g/d[術前CRP値O.8mg/dL直近1ケ月のプレドニゾロン使用量:150mg(全て中央値)であり肺合併症(+)群では高齢t検査値が不良プレドニゾロン使用量が多い傾向にあった肺炎の内訳は細菌性肺炎2例(Pseudomo皿as aerginosaStaphyl㏄㏄一cus・aureus(MRSA)etc.)真菌性肺炎2例(Cryptoc㏄cusP皿eumocystis ji.roveci etc)であり術後在院期間は中央値131日(60-270日)と治療に難渋し1例は敗血症で死亡した.【結語】潰瘍性大腸炎手術例における重篤な術後肺合併症は32%に発生し高齢者や術前の全身状態不良例が多い傾向であった真菌性肺炎など日和見感染も多く治療に難渋することからこれらの症例では手術時期の遅れがないように十分に注意し厳重な周術期管理が必要である.
索引用語