セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-130 緩解期潰瘍性大腸炎粘膜におけるNBI拡大所見と局所炎症所見及び血管新生因子の対比

演者
共同演者
抄録 【背景】潰瘍性大腸炎は再燃寛解を繰り返す事が多い疾患である.潰瘍性大腸炎における寛解は通常臨床症状などをもとに行われているが内視鏡的に粘膜所見を確認することでより詳細な治療効果判定を行うことができる.しかし粘膜治癒と判断した症例からも再燃を経験することも少なくない.【目的】緩解期の潰瘍性大腸炎患者の大腸粘膜をNBI拡大内視鏡観察によって評価しその有用性を局所の炎症所見と血管新生因子などの発現で比較検討した。【方法】臨床的に緩解期と判断した潰瘍性大腸炎症例に下部消化管内視鏡検査を行ない通常内視鏡観察で完全に緩解したと判断した粘膜(Matts分類で1に相当)に対してNBI拡大観察し同部位から病理診断用と遺伝子発現検索用の生検を行った.NBI拡大観察はregiUlar(粘膜浅層の血管が腺管開口部周囲を走行し乱れた血管を認めないもの)irregUlar(粘膜浅層の血管がregularパターン以外の走行を認めるのも)の2パターンに分類して比較検討した.病理組織学的な炎症の評価はMatts分類を使用し。組織中のIL-8VEGF-Aの発現について. Real-time PCRを用1いて検討した.【結果】対象症例は21症例で検討を行った.NBI拡大観察で両パターンとも病理組織学的なMatts分類1~2が主体を占めたがRea1-time PCRを用いた検討ではNBI拡大観察でのregularと比較してirregUlarでは組織中のIL-8やVEGF-Aの発現が高い傾向を認めた【結論】緩解期潰瘍性大腸炎患者におけるNBI拡大観察は通常観察や病理組織学的な炎症評価ではとらえられないより細かい炎症所見や再生状態の評価を行える可能性が示唆された.
索引用語