抄録 |
【目的】潰瘍性大腸炎(UC)クローン病の病態に腸内細菌叢が関与していると考えられ近年Terrninal-restriction-fragrnent-length法(T-RFLP法)により腸内細菌叢が検索可能になった.我々はUC患者とその家族の腸内細菌叢をT-RFLP法にて測定しOTU(Operational-taxon㎝miorunit)を選定しクラスター解析を行うことで活動期UC患者と非血縁家族間でクラスターが分離されると報告したクラスター解析は個々の類似性を判断するには有効な手法であるが定量的評価は困難である.そこで今回判別分析を用いた定量的な解析で評価検討を行った.【対象】1群:活動期UC患者22例II群=寛解期UC患者46例皿群:患者家族(血縁}46例IV八二患者家族(非血縁)32例【方法1 UC患者とその家族からT-RFLP法で得られたOTUを用い判別分析により検討した.腸内細菌叢の違いが最:も大きいと考えられる1群およびIV群を用い各OTUの正準判別関数係数(Df)を求め1群がらW群の症例の個々のOTUにDfを乗じ、その総和を判別得点(Ds)とした.解析ソフトはSPSS(BM Statistics eO.O)を使用した.【結果】全OTUを用いDsを求めた結果1群に比べH皿IV群とDsが低下する傾向が見られたがバラツキは大きかった次に個々の症例のOTUが95%以上ゼロ値であるOTU及び判別分析結果により相関性が低いと考えられるOTUも除外してDsを求めるとバラツキが小さくt各群のDs.は1群n6圭1231群0、46士1.23m群O.04±O.95IV劃一〇.80±081であり1群は皿】V群ll群はIV群.皿群はW群にて有意差(pく001)が認められた.{結語1 UC患者とその家族の腸内細菌叢をT-RFLP法にて測定しt得ちれたOTUを選定して判別分析法でDsを求めるとUCの活動性が高いほどそのDsが高値になることが示された.本法は患者の腸内細菌叢を定量的に判定が出来る極めて有用な手法である。また患者家族(非血縁)は活動期寛解期UC患者患者家族(血縁)と有意差が認められたことからUC患者の腸内細菌叢の遺伝的素因が示された. |