抄録 |
【目的】ESDの普及は急速に進んでおり、特に胃腫瘍性病変に対するESDはほぼ標準化されたと言っても過言ではない.しかし未だ長時間を要する手技であり偶発症など問題点も山積されているのが現状である今回我々は胃ESDの治療時間に着圏しその長時間にかかわる危険因子さらには長時間を要した症例の治療成績等について多数症例にて検討したので報告する.【方法】対象は2003隼5月から2010年8月までに当院および関連施設3病院で施行した胃腫瘍性病変1123病変(967症例)である.これらについて全体の治療時間中央値が75分であったことから長時聞群(沿療時間75分以上)と短時間群(同75分未満)に層別化し長時間に関わる危険因子をロジスティック回帰分析にて検討した.また長時間群と短時間群の治療成績についても比較検討した.【成績1長時間群は559病変短時間群は564病変に層別化された単変量による長時間に関わる危険因子は男性病変がU領域にあることb病理綴織で胃癌であること(腺腫ではないこと)病変が大きいことU1(+)が抽出された多変量解析では男性(OR:1.4995%CI:1.10-2.02]病変がU領域にあること(OR:2.55.95%CI:2.12-308)U1(+)(OR t 2.7095%CI:1.55-4.69)t病変が大きいこと(OR:1.0995%CI:1.07-1.11)が長時間に関わる独立した危険因子であった.また長時間群は短時間群に比して一軸切除率(89%鴨98%)治癒切除率(78% vs. 89%)ともに有意に低翼であり穿孔(3.8%vs O.89%and 6。6%)および後出血(6.6% vs 3.7%)の頻度が;有意に高値であった。【結論】本研究.にて胃ESDにおいて手技に長時間を要する危険因子が明らかとなった.また長時間を要することは治療成績や偶発症の頻度にも影響を及ぼしていることが判明したこれらの結果を踏まえ今後さらなる手技の工夫デバイスの開発等により治療時間の短縮化が必要であると思われた. |