セッション情報 一般演題(口演)

治療

タイトル

O-137 etodolacとnaproxenの胃酸および胃粘液分泌に及ぼす影響

演者 岩渕利光(東北大学消化器病態学)
共同演者 飯島克則(東北大学消化器病態学), 荒誠之(東北大学消化器病態学), 宇野要(東北大学消化器病態学), 浅野直喜(東北大学消化器病態学), 阿部靖彦(東北大学消化器病態学), 小池智幸(東北大学消化器病態学), 今谷晃(東北大学消化器病態学), 下瀬川徹(東北大学消化器病態学)
抄録 【背景】近年開発されたCOX2選択的阻害剤は通常のNSAIDsと比べ組織中のプロスタグランジン即下PG)抑制効果が軽度でこれが胃腸障害の軽減と関連していると考えられているがその詳細な機序は不明である.PGは胃粘液産生に関与しておりNSAIDs内服者の胃粘膜PG濃度及び胃粘液量はNSAIDs間で異なる可能性がある.本研究ではCOX2選択性が高いNSAIDsであるetodolacと通常のNSAIDsであるnaproxenの胃酸分泌および胃粘液分泌に及ぼす影響について内視鏡的胃酸分泌能評価法(EGT)を用いて評価し胃粘膜傷害との関連を明らかにすることを目的とする.【方法】H.pylori陰性の男性健常成人ボランティアを対象とした.平均年齢は26.8±16歳15名の被験者をクロスオーバー法にてetodolac先行群およびnaproxen先行群の2群にランダムに割り当てetodolac(1日量400 mg分2)naproxen(1日量600mg分2)を各群それぞれ1週間投薬した.内服前後に内視鏡検査を行い胃粘膜傷害の程度をLANZAscoreを用いて判定し同時にEGTによる胃液採取及び生検採取を行った.【結果】etodolac群はnaproxen群に対し自覚症状および胃粘膜障害が有意に半値であった.胃酸分泌能・胃粘液量に関しては内服前後で両群間に明らかな差は認めなかったetdolac群ではnaproxen群に対して内服後のPGの低下が少ない傾向にあった.【まとめ】COX2選択性が高いetodolacは非選択的阻害剤であるnaproxenに対し胃粘膜障害が有意に少ないという結果であった.両群共内服前後の胃粘液量に差は無く発現する胃粘膜障害の差異に関しては他の機序が関与しているものと考えられる.
索引用語