セッション情報 一般演題(口演)

治療

タイトル

O-138 清酒酵母由来チオレドキシン素材投与によるインドメサシン胃粘膜障害予防効果の検討

演者 福井寿朗(関西医科大学内科学第三講座)
共同演者 中島淳(関西医科大学内科学第三講座), 岡崎和一(関西医科大学内科学第三講座), 高橋悠(関西医科大学内科学第三講座), 坂口雄沢(関西医科大学内科学第三講座), 内田一茂(関西医科大学内科学第三講座), 西尾彰功(関西医科大学内科学第三講座)
抄録 【目的】インドメサシンは臨床的に頻用されるNSAIDsの一つであるがしばしば副作用として胃粘膜障害を引き起こす.インドメサシンによる胃粘膜障害の病因として炎症細胞の浸潤および活性化炎症性サイトカインおよびケモカインの産生活性酸素の産生アポトーシスシグナルの活性化等が関与している.チオレドキシンは抗酸化作用や様々なレドックス(酸化還元)制御機能を持ったレドックス活性蛋白である.インドメサシン胃粘膜障害モデルマウスを作成しT遺伝子組み換えを行うことなく清酒酵母より高濃度に産生されたチオレドキシン素材を用いて胃粘膜障害の予防効果を検討した、【方法】生後8週体重:約20gのC57BL/6マウスに対し401ng/kg(0.8mg/body)のインドメサシンを腹腔内に投与しインドメサシン胃粘膜障害を作成した.清酒酵母由来のチオレドキシンを0.2mg/g含有する餌を作成しインドメサシン投与前に3日間摂取させた.インドメサシン投与後24時間にて胃を採取し肉眼的組織学的所見MPO活性炎症性サイトカイン(ケモカイン)の遺伝子発現をreaレdme PCR法にて評価した.マウス胃粘膜上皮細胞GSMO6を用いてインドメサシンの細胞障害作用に対する清酒酵母由来チオレドキシンの予防効果を培養細胞からのLDH放出を測定することにより検討した.【結果】浮腫 出血潰瘍などの肉眼所見や粘膜壊死粘膜下層浮腫好中球浸潤などの組織学的所見は清酒酵母由来チオレドキシンの予防的投与により有意に軽減していたまたMPO活性炎症性サイトカイン(IL-1βIL-6)の遺伝子発現も同様に有意な軽減を認めた.GSMO6細胞に対するインドメサシン細胞障害作用も有意に軽減した。【結論】清酒酵母由来チオレドキシンの経口投与はインドメサシン胃粘膜障害を軽減した.遺伝子組み換えでない清酒酵母由来のチオレドキシンはNSAIDs胃粘膜障害の治療への応用が示唆された.
索引用語