セッション情報 一般演題(口演)

治療

タイトル

O-139 機能性ディスペプシアに対する治療方針―バロスタット検査ドリンクテストを用いて―

演者
共同演者
抄録 【目的】機能性ディスペプシア(FD)の病態を評価するための胃機能検査には標準検査法としてのバロスタット検査や簡便法として液体栄養剤を飲用させるドリンクテスト(DT)などがある.これらの検査法を用いて酸分泌抑制薬消化管運動改善薬の胃機能に与える影響について検討した.【方法】(1)健常者10名にオメプラゾール20mg/日を1週間内服させ内服前後にバロスタット法にて胃の知覚閾値を評価した.バロスタット検査は腹圧から2冊子Hgずつ階段状に圧を上昇させ自覚症状を記録した.(2)健常者9名にドパミンD2受容体拮抗剤(塩酸イトプリド50mg/毎食前)を2週間内服させ前後にDTを行った液体栄養剤(15 kcal/mL)を15mL/分で限界量まで飲ませ最大飲用量腹部膨満感閾値容量を評価した.内服終了後の経過も観測した.(3)健常者10名に5HT4受容体作動薬(クエン酸モサプリド・5mg/毎食後)またはプラセポを二重盲検:クロスオーバー法で2週間内服し内服前後にDTを行った.【結果】(1)感覚閾値を起こす伸展圧はオメプラゾール内服により有意に上昇した.2mmHg4mmHg加圧時の感覚スコアは有意に減少した。(2)最大飲用量は増加したが腹部膨満感閾値はイトプリド内服前後で変化を認めなかった内服後の満腹感膨満感は前値に比較して回復が早い傾向があった.(3)膨満感閾値はモサプリドではプラセポに比し上昇傾向がみられた.内服終了後の症状回復に差は認めなかった.【結論】無涯プラゾールは酸分泌抑制による知覚閾値の上昇作用.イトプリドは胃排泄促進作用モサプリドは適応性弛緩の増加作用によりそれぞれFD症状を改善させることが示唆された
索引用語