抄録 |
【目的】当院における膵内分泌腫瘍(PNET)に対するEUS-FNAの診断能と悪性度診断の成績を明らかにする.【対象】11998年から2011年5月までにPNETと診断された58例(切除39例)を対象とした【検討項目】1)EUS-FNAを施行した51例の検体採取率および正日率2)切除39例の腫瘍内でのN67 indexのHeterogeneityの検討.3)手術とFNAで十分な検体が得られた30例のKi67 indexの比較.4)EUS-FNAで十分な検体が得られた41例におけるWHO2010分類に基づいたG1およびG2・NECの5年生存率の検討なお、Ki67 indexの測定には全例自動測定器(Aperio)を使用し手術検体ではhighest Ki67 indexFNA検体ではMean K:i67 indexで評価した【成績】1)51例中46例にEUS-FNAで検体採取可能であり採取率および正診率は共に90.1%(46/51)であった.因子別に検討すると平均腫癌性WHO2010分類別穿刺回数では有意差はなく穿刺ルートのみが正診率に寄与する因子であった(p=O.015)2)切除39例(G1/G2/NEC:22/15/2)の腫瘍内6か所でのK:i67 indexの最高値と最低値の差ではG1症例で0.45±0。31%G2症例では3.45±1.M%NEC症例では36.7±16.1%でありG2およびNEC症例で有意に差が大きかった(p〈O.001)3)手術検体とFNA検体とのKi67 indexの一致率はG1症例で73.6%(14/19)r=0.50G2およびNEC症例では81.8%(9/11)r=O.98であった.4)FNA検体41例のうちGl 20例G2+NEC21例の5年生存率は各々100%と51%であった(p=0.003).【結論】EUS-FNAによる正逆井は90%以上と高率であり診断に有用である.G1に比しG2症例のKi67はよりHeterogeneityが強いがEUS-FNAによる悪性度診断はG1・G2いずれにおいても有用であり予後予測の応用も可能である. |