セッション情報 一般演題(口演)

臨床2

タイトル

O-150 糖鎖抗原陰性膵癌の臨床病理学的特徴

演者
共同演者
抄録 【背景】CA19-9などの糖鎖抗原は接着因子として機能することから悪性腫蕩の血行性転移との関連が示唆されている.特に膵癌では高頻度に陽性を示すが一部に陰性例が存在するt【目的】糖鎖抗原陰性の膵癌の臨床病理学的特徴を明らかにする.【対象】2001年から2011年に当科で切除された通常型膵癌251例のうち.術前にCA19-9DU-PAN-IIなどの理想抗原が基準値以内であった(陰性群)46例(18%)を対象に上昇を呈していた(陽性群)205例(82%)と比較した.【方法】後方視的に臨床病理学的因子(年齢性別t腫瘍主座病期組織型)及び生存(無再発生存全生存再発形式)を比較した.【結果】陰性例と陽性例に年齢性別腫瘍主座に差を認めなかった.陰性群では(陽性群に比べ)Stage I+II(13%vs 4%)高分化腺癌(24%vs 12%)の頻度が高かった.陰性群はStage HIIVaIVbが87%を占めていたが無再発生存期間中央値27.1ヶ月。全生存期聞中央値51.0ヶ月で陽性群(12.4ヶ月19.7ヶ月)に比べ有意に良好であった.肝腹膜.局所再発の頻度に両群間で差を認めなかったもののその他の遠隔転移(肺骨など).は陰性群で2%と陽性群(19%)より有意に低率であったt【考察】糖鎖抗原陰性膵癌は他の多くの陽性例に比べ予後良好な集団である.遠隔転移が少ないことから不顕性遠隔転移が成立していない状態と考えられ進行癌であっても積極的な外科切除の対象とすべきである.
索引用語