抄録 |
【背景】IPMNは組織学的に腺腫(adenoma)bOrderline上皮:内癌(CIS)浸潤癌(invasive)に分類されるが実臨床において良悪性鑑別にしばしば難渋する.近年腫瘍病変の良悪性鑑別にFDG-PETの有用性が報告されているがIPMNにおける報告はまだ少ない.今回IPMN病変の良悪性鑑別におけるFDG一一PETの有用性:にういて検討した.【方法と対象】2004年から2010年にかけて当院でIPMNにて外科切除された症例のうち.術前にFDG÷PETを施行された34例を対象とした.全例切除後に病理組織学的に確定診断がつけられたade皿omaおよびborder-lineを良性CISおよびinvasiveを悪性と定義した. PET装置はGE社advanceNxiを用い5時間絶食後にFDGを投与し60分後の早期相で腫岡部のSUV-MAX値を計測した、また11例については120分後の後期相も撮影した今回の検討項目は病理組織別でのSUV値の検討良悪性鑑別に有効なSUVカットオフ値の検討後期相でのSUV値測定の有効性の検討の3項目とした.1【結果】早期相でのSUV値は良性(N=12)で1.5悪性(N冨22):で3.4と有意に悪性群で高値であった.病理組織別でのSUV値はadenoma(N=10)でi.5borderline(N胃2)1で1.7CIS(N=13)で2.6invasive(N=9)で45であったSUVカットオフ値を2に設定したところ良悪性鑑別において感度91%特異度83%正診率88%と良好な結果を示した.ll例で後期相でのSUV値を測定し(良性3例悪性8例)良性で.は2例で後期相でのSUV値低下を認めまた悪性では全症例でSUV値がio%以上上昇しており後期相でのSUV値上昇が良悪性鑑別のひとつの指標になる可能性が示唆された.{結語】FDG-PETはIPMNの良悪性鑑別に有用であった. |