セッション情報 一般演題(口演)

タイトル

O-159 膵嚢胞性疾患における嚢胞液分析の有用性と限界

演者
共同演者
抄録 【目的】IPMN、 MCNSCN仮性嚢胞(PC)の鑑別診断に嚢胞八田の腫瘍マーカーとアミラーゼ(AMY)測定が有用か否かを検討した.また嚢胞液:細胞診の悪性に対する診断能を検討した.【方法】対象は1997年4月から2011年9月までに当院にてEUS-FNAまたは術後標本より嚢胞液を採取し嚢胞液中の腫瘍マーカー(CEACA19-9CA125)とAMYの測定嚢胞液細胞診を施行した膵嚢胞性疾患66例(細胞診施行63例)でその内訳はIPMN 24例(悪性:CIS 2例/微小浸潤癌1例/浸潤癌7例)MCN 16例(非浸潤癌2例)SCN I2例PC 14例であった.【結果】中央値はCEA(ng/ml):MCN 931.5>IPMN 146.1>PC 4.5>SCN O.6. CA19-9(U/ml):MCN 546000.0>PC 12930.0>IPMN 1825.0>SCN 79.6CA125 (U/ml) : MCN 417.5>SCN 104コ口PC 7.0>IPMN 2.0AMY (IUA) : PC 50674.0>IPM N 9ga7.5>SCN224.5>MCN 134.Oであった.粘液性嚢胞と非粘液性嚢胞を鑑別としたROC曲線下面積はCEA O.848>CA19-9 O742>AMY O.516>CA125 O508でありその鑑別にはCEAが最も有用な指標であった. CEAのcutoff値を67.45 ng/mlとした場合感度83.8%特異度87.5%正診率850%であった嚢胞液細胞診の悪性に対する診断能は感度33.3%(4/12)特異度100%(51/51)PPV 100%(4/4)NPV S6.4%(51/59)正診率87.3%(55/63)であった.【結論1本邦では膵嚢胞性腫瘍に対するEUS-FNAは原則禁忌とされており嚢胞液分析はその適応を慎重に考えるべきである.しかし治療的に行われるPCの穿刺やドレナージSCNとして経過観察するような症例には嚢胞液分析(特にCEA)は有用と考えられた.
索引用語